こんにちは。
今回紹介するのは、山梨県にある星空スポット、新道峠の天の川の写真になります。
新道峠は眼下に山口湖と周辺の夜景、その向こうには富士山が見える有名な場所です。このようなロケーションから、近年雲海や天の川撮影スポットとして全国的に有名になりました。そして、有名になりすぎた結果、撮影の足場を確保するのが物凄い大変だとか(厳密には、利用客=需要に対する展望台の整備(供給)が進んでいない事が原因だと思います)。
そんな中、自分もこの目で見てみたいと思い、土曜日の夜に弾丸で行って来ました。
目次
山梨にある新道峠について
画像:Googleマップの衛生画像にて新道峠と富士山の位置関係を確認
ここでは、山梨県にある新道峠について紹介します。
まずは、上に新道峠と富士山の位置関係が分かるよう、Googleマップの衛生画像を載せてみました。左下に富士山が写っています。富士山に対して右上には山中湖、左上には西湖と河口湖が確認できます。そして、新道峠は河口湖の北北西に位置しています。
新道峠とは?
山梨県には富士山のビュースポットが数多くあり、新道峠もそのひとつです。
新道峠は、河口湖と富士山が望める水ヶ沢林道の終点から約5分ほど登山道を登ると到着します。登山道には案内板があり、黒岳方面へ尾根を登ると、見晴らしのいい展望台が現れます。
新道峠の情報は多くのサイトで取り上げられ、いろいろ情報が飛び回っているので、笛吹市観光ナビと言うサイトを参考に紹介します。
新道峠は山梨県の笛吹市芦川町にあり、富士山が良く見えるポイントです。また、四季折々の表情が楽しめる事から、富士山写真家からも大人気の撮影スポットとなっています。
ふむふむ、なるほど。とは言えここに書かれている内容は、富士山が見える山であればどこにでも当てはまりますよね。と言う事で、自分のコメントも一言…。
富士山から近い絶景のビュースポットと言えば、やはり富士五湖です。水のある景色はそれだけで美しいですよね。そして、富士五湖と天の川を絡めた写真スポットは数多くあります。特に、精進湖や西湖、山中湖は、天の川や星空を絡めるのに最適な星空スポットと言えます。
では新道峠の特徴は何でしょう。それは何といっても、河口湖とその奥に聳える雄大な富士山、そして、河口湖の周囲に広がる夜景と天の川を絡めて撮れる事です。河口湖の周囲は高速道路や遊園地、温泉旅館などの宿泊施設が多いので、湖畔からの天の川撮影はやや不向きです。新道峠に登ることで、眼下に広がる夜景と目の前の富士山、そして夜空に登る天の川が絡められる訳です。
また、撮影地で知ったのが、新道峠は超有名な雲海スポットと言う事です。星空を撮影しに来た方のほとんどが、朝の雲海発生まで粘り、写真撮影を続けていました。
撮影地や登山道の詳細は、最後のまとめで紹介するのでぜひ参考にしてみて下さい。
基本情報
・所在地:山梨県笛吹市芦川町上芦川
・駐車場:すずらん群生地の駐車場から徒歩50分。水ヶ沢林道終点から展望台まで徒歩5分。
・アクセス:山梨県公式観光情報より
公共交通機関の場合、JR中央本線 石和温泉駅からバスで約50分
車の場合、中央自動車道笛吹八代スマートICから約30分。
・特記事項:車の場合は、登山ナビと言うサイトが詳しかったので、引用しておきます。
富士山や河口湖の撮影スポットとしても知られる新道峠の北側に通じている水ヶ沢林道の終点付近のスペース。アクセスは中央道の一宮御坂インターチェンジを下りて国道137号線の河口湖・御坂方面へ向かい(もしくは笛吹八代スマートICを利用)、高速の高架をくぐってすぐの一宮御坂IC南の交差点を御坂市街方面へ右折、県道34号線(笛吹ライン)を道なりに進み森の上交差点を県道36号線の芦川・若彦トンネル方面へ左折、鳥坂トンネルを過ぎて県道719号線の若狭トンネル方面へ左折する。1㎞ほど先ですずらんの里入口のバス停がある交差点を左折し、道なりに蕪入沢上芦川林道を進みすずらん群生地を過ぎた先の分岐で新道峠の案内に従い右折する。河口湖側からは河口湖北岸の県道21号線湖北ビューラインより県道719号線の甲府・笛吹方面へ右折し、若彦トンネルを過ぎた先のすずらんの里入口のバス停前を右折する。林道は全線舗装されているが、すれ違う幅がない狭い区間も多く12月から4月下旬までは冬期閉鎖となる。転回スペースの奥に新道峠への登山口があり、峠まで5分ほど。
新道峠は山の為、夜間の公共交通機関でのアクセスは困難です。また、じゃらんで調べても、最寄りバス停から徒歩70分とか出てきます。昼間に到着して登山するなら行けますが、あまり現実的ではありませんね。その為、撮影目的では車が必要になります。
新道峠で撮影した写真
ここでは、実際に土曜日の夜に自分が撮影した写真を紹介していきます。
撮影機材は α7SⅡ+SAL1635Z です。5月の新月の時期で、23時頃に現地入りしました。
曇り空の新道峠
5月では天の川が上るのが22時頃。新道峠の場合、天の川が高く昇った頃が構図としてはいいため、深夜から未明が狙い目です。深夜0時頃、天気予報とは真逆の曇り空が広でした。
α7SⅡ+SAL1635Z 35mm f2.8 ss15秒 iso800
雲が流れ天の川が姿をあらわす
5月と言えど、新道峠の夜は凍えるほどに寒かったです。諦めかけた深夜3時前、もう天の川は見られないと覚悟した頃、雲が一斉に履けていきました。
α7SⅡ+SAL1635Z 16mm f2.8 ss15秒 iso3200
富士山と天の川が姿をあらわす
未明3時頃、富士山の頭上に広がる分厚い雲は完全になくなり、見事な天の川が姿をあらわしました。この瞬間、周囲からは歓声があがりました。
α7SⅡ+SAL1635Z 20mm f2.8 ss20秒 iso2000
α7SⅡ+SAL1635Z 35mm f2.8 ss10秒 iso6400
流れ星と天の川
周囲が茂みに覆われていたため、縦構図などで工夫して構図を決め、シャッターを切ります。そんな中、左上に一筋の流れ星が見えました。
α7SⅡ+SAL1635Z 24mm f2.8 ss15秒 iso3200
新道峠のブルーアワー
天の川が光の中に消えてしばらくした頃、新道峠からは綺麗なブルーアワーが見えました。
この頃から富士山にかかる雲がやや高くなり、富士山写真としては微妙な一枚です。
α7SⅡ+SAL1635Z 24mm f5.6 ss15秒 iso400
新道峠の朝
日が昇る頃には、メインの撮影場所にいる方々が履けていきました。自分は茂みから撮影しており、折角ならと特等席の岩の上から撮影。本当はここから天の川を撮りたかった…。
α7SⅡ+SAL1635Z 24mm f8 ss1/50秒 iso100
河口湖の湖畔にて
最後に、下界に下りて河口湖の湖畔で撮影した写真を紹介します。これぞ富士山(*゚▽゚*)!。
α7SⅡ+SAL1635Z 28mm f8 ss1/320 iso100
まとめ
山梨県にある人気の星空スポット 新道峠、いかがだったでしょうか。
天気予報が外れ、前半数時間が雲で覆われており致命的な状況でした。そんな中、諦めかけた深夜3時前には見る見る雲がはけ、見事な天の川が現れると言う大逆転が起こりました。
今回の撮影条件は、土曜日で新月、天気予報が快晴と言う条件でした。実際に新道峠で天の川を撮影してみた感想は、ロケーションは最高クラスですが、何と言っても撮影する足場の確保の競争率が非常に高い言う事です。
現地の特等席近くにいたカメラマンさんに、何時に来たか聞いてみました。すると、茂みがいっさいない特等席に三脚を立てる為、昼間の2時に場所取りをしたそうです。その方は、それでも先客がおり、本当にベストなポジションは取れなかったと話していました。
これを聞いてみなさんはどう思いますか!? 自分はちょっと引くくらいぞっとしました。ただ、平日や寒い季節なら、もう少し競争率が違うのかもしれません。
インスタグラムなどのSNSには同じような写真が沢山投稿されています。そう考えると、冬の星座や月が昇る日など、もっと違う条件の時に撮影に来たいですね。
撮影の日時について
2018年の5月の新月(週末の土曜日)に、新道峠の天の川を撮影しに行きました。
この時期の深夜3時の天の川と新道峠からの景色との位置関係が、上の写真で分かります。
星景写真としては、天の川が45°以上昇らないといけないので、3月からが撮影の時期です。とは言え、雪の量などによって冬季封鎖されるので、現地情報を収集する必要があります。
あとは、雲海の発生しやすい時期が秋と春で、秋は夏の天の川が見られない事を考えると、4月が最適な時期でしょうね。
天の川は見られなくても雲海が見たい。そんな方は秋がいいと思います。自分は5月の撮影で、この日は風も強かったので残念ながら雲海は見られませんでした。
駐車場までの道のりについて
駐車場までの道のりですが、河口湖側から山道に入る手前に長いトンネルを抜けます。
その後山林に入ると、だんだん道が狭くなっています。すれ違う車は一台もなく、本当に真っ暗でこんな場所に本当に人が来るのかと言った印象。しかし、駐車場付近に来ると突然ヘッドライトや車のライトで渋滞状態でした。
到着したのは午後22時半ですが、狭い駐車場はほぼ満車状態。この日は幸い軽自動車をレンタルしていたので、一番近いポイントに停めることができました。
登山道と展望台について
新道峠の駐車場で一番奥に車をとめられた場合、そこから登山道は目の前です。
新道峠は最初は階段になっていますが、その後は土と木の根の上を歩く感じ。
登り始めてすぐに案内板があり、黒岳方面へ進みます。
登山開始から5~10分ほどで第二展望台があります。
自分はさらに上にある第一展望台で撮影するつもりだったので、第二展望台は通過したのですが、この時点で第二展望台はほぼ満員状態でした。
さらに10~15分ほど登るとソーラーパネルが現れ、この右脇に第一展望台があります。
勿論ここも満員状態であり、第二展望台では撮影ができませんでした。その為、自分が撮影したのは、第二展望台から茂みを少し下った開けたスペースです。明るいうちに場所を探せば、もう少し視界のいい場所が見つかったかもしれませんが、真っ暗な山の中で見つけられたのでまだいい方です。
撮影の足場環境について
撮影の足場は基本的に土や草の上。第一展望台で一番いい特等席のポイントは、平たい大きな岩と言った感じ。この岩の上に並べられる三脚は2~3台でしょうか。。。
この岩の上以外のスペースは人数次第ですが、自分が撮影した場所は一人(最初は数人いたが諦めて撤収した)で、ビニールシートと車から持ち運んだ毛布を広げて寝っ転がりました。
場所取りと混雑状況について
上にも書きましたが、自分が過去に撮影してきた撮影地では、恐らく一番競争率が高い場所だと思います。例として、紅葉シーズンの長野にある戸隠鏡池や、天の川シーズンの千葉にある大波月海岸の方がまだマシです。と言うのは、最適な条件(時期・天候・時間帯)の何時間前に現地入りすれば最適な場所を確保できるかを想定すると、新道峠はダントツの難易度です。
第一展望台の一番いい岩場のポイントは、昼間の午後2時前から場所取りが始まります。恐ろしい事ですよね。全国的に有名になってしまったから仕方ありません。ただ、これは土曜日の例なので平日は違うかもしれません。ただ自分が思うのは、この岩場(三脚2~3台ほどのスペース)を確保しないと茂みが邪魔になるので、平日でも恐らく競争率が高いです。
写真撮影の世界では、先に来た者が絶対に優先ですからね。ちなみに、一番いいポイントである岩の上から撮影した写真は、上の「新道峠の朝」の一枚です。
撮影ポイントについて
場所取りがうまくいけば横構図の20mmとかでいい写真が撮れるかもしれませんが、自分としては24mmが一番いいと感じました。逆に新道峠の場合、14mmとかでは広すぎます。
今回自分の場合は両側が茂みで覆われていたので、上で紹介した35mmまでよって縦構図で撮影した写真が、まだバランスがよく取れたかなと思っています。
一番理想は最後に載せた、朝の24mmの構図です。
服装について
5月の新道峠はまだ寒い。この日は風もあり、気温はひと桁前半と言ったところでしょうか。
手袋は勿論、ダウンジャケットの下に厚手のフリースを着ていても震える程でした。4月となるとさらに寒いので、重ね着やホッカイロがいると思います。
ただ自分の場合、寒かったのは天の川が顔を出すまでです。雲がはけた3時から日の出までは撮影に夢中で全く寒さを感じませんでした。不思議ですよね
必要なのは撮影意欲と忍耐と健康な身体ですね。今回の撮影をしていてそう感じました。
2021年に新テラス!新道峠の展望台が新しくなります!
画像引用:笛吹市公式ホームページより引用しています。
2021年4月現在の最新情報になります。
今回紹介した新道峠の二つの展望台が、本格的に整備されて新しくなるそうです。2021年現在、新道峠整備工事が勧められており、当初の完成予定より長引いているとの情報があります。完成は、現在出ている情報では2021年の夏頃になるとか。→情報元はこちら。
上の写真は山梨県の笛吹市ホームページから引用させて貰ったのですが、完成図は素晴らしいですね。この記事で書いたように、ここの展望台の問題点は、需要(訪れるカメラマンの人数)と供給(三脚が置けるスペース)のバランスがあまりに悪く、場所取りは星空撮影地でもトップクラスでした。
写真の通り、平らなウッドデッキに整備されます。勿論最前列でなければ写真は撮れませんが、今までと比べて遥かに効率よくスペースが使えるので、結果的に三脚が並べられる台数は多くなるのではと思います。
上の写真で、もう少し詳しく展望テラスの様子を見てみましょう。ある程度の高さの鉄格子があるので、それを上回る高さの三脚が必要になりますね。ただ、問題はこのウッドデッキが人の動きで振動しないかです。新道峠だけに、振動したら写真も撮れません。まあ、夜間の星空撮影ならみんなじっとしているでしょうし、その辺りは協力して撮るしかありませんね。もしかすると、展望台の中央に場所を確保できれば、構造的にローアングルにして、鉄格子の間からレンズを出して撮影する事もできそうですね。
画像引用:笛吹市公式ホームページより引用しています。
今回、第一展望台と第二展望台の二箇所とも整備され、それぞれ新道テラスと笛吹テラスに名称が変わるそうです。
余談ですが、兵庫県の雲海スポットである立雲峡や、静岡県西伊豆にある出雲の撮影展望台は、既に入山が有料化しており、カメラマンや観光客を迎えるのに十分なサービスが整っています。新道峠も環境が整えば、より足を運びやすい山になりますね。
それではまた。
コメント
初心者です。天の川は肉眼で見ることは可能ですか。オーストラリアの山奥で写真のような天の川と南十字星が肉眼でもとても綺麗に見えました。富士山と同時でなくても良いのですが。時期は5月初旬でも大丈夫ですか?甲府在住者です。
コメントありがとうございます。
天の川は肉眼で見ることができます。また、5月初旬なら十分に長い時間見る事ができます。しかし、新道峠は現在通行止めです。