こんにちは。
今回紹介するのは、長野の星空スポット「八島ヶ原湿原」で撮影した星空の写真になります。傾く夏の天の川と、この秋初のオリオンを撮りおさめる事ができました。
目次
長野の八島ヶ原湿原とは
画像:2009年にカシオのコンデジで撮影した八島ヶ原湿原の写真
自分は長野出身であり、学生時代から両親と一緒に、何度も八島ヶ原湿原を歩いていました。
はっきりとした記憶は、2009年9月の秋に訪れた時の事です。大学時代の長い夏休みの終わりであり、ススキ揺れる美しい八島ヶ原湿原を、一時間以上かけて両親と一周しました。その時の景色は本当に美しく、当時カシオのコンデジで撮影した写真たちは、複数のハードディスク大切に保管してあります。
広大な湿原に続く木道と言えば、尾瀬や戦場ヶ原、栂池高原などが有名ですね。八島ヶ原湿原もまた、景観の美しい広大な湿地に、長い木道が続く貴重な湿原の名所です。
八島ヶ原湿原とは
八島ヶ原湿原(やしまがはらしつげん)は、長野県の中央にある八ヶ岳中信高原国定公園の霧ヶ峰に位置しています。標高は約1632mで、高層湿原の部類に入るそうです。
この地域には霧ヶ峰や車山高原など様々な名所がありますが、霧ヶ峰と言う大枠に、八島ヶ原湿原、車山湿原、踊場湿原の3つの湿原があるそうです。
基本情報
- 所在地:長野県 諏訪郡 下諏訪町 10618
- アクセス(公共交通機関):
- JR上諏訪駅からアルピコ交通バス霧ケ峰方面行きで50分→八島湿原で下車(7月下旬~8月末のみ運行)・JR茅野駅からアルピコ交通バス霧ケ峰方面行きで1時間10分、八島湿原で下車(7月下旬~8月末のみ運行)
※車の場合長野道岡谷ICから国道20・142号経由15km40分
八島ヶ原湿原の星空と光害について
Googleマップの衛生画像にて、八島ヶ原湿原の周辺環境を把握
八島ヶ原湿原特有には、尾瀬や戦場ヶ原とは違った独特の地形や景色があります。
八島ヶ原湿原が星空スポットとして最適だと確信したのは、2015年に歩いた時です。光害と言えば、真南になる茅野市、南西方向にある岡谷市や諏訪市の街灯り(高ボッチ高原の反対側の北西方向には松本市街地の灯りあり)があり、やや明るい方角もありますが、霧ヶ峰の山々に囲まれた湿地帯であり、個人的には十分暗いと感じます。この辺りは、天体マニアか、星景写真マニアかで意見が別れるんでしょうね。
そして、一番の魅力は駐車場の目の前にある湿原の入り口が高台となっており、写真撮影に一番適した展望エリアと言う点です。つまり、一時間以上の木道散策路を歩く事なく、湿原を真東(光害が比較的少ない方角)に見渡す事ができるのです。
今回の星空撮影について
問題はアクセスです。東京のアパート・長野の実家、どちらからも片道数時間コースです。八島ヶ原湿原の星空撮影の本命は、斜めに立ち昇る夏の天の川の為、実は2020年の春に、実家長野に帰省し兄と一緒に出撃しようとしました。しかし、睡魔に負けて断念。
そして来たる2021年10月。緊急事態宣言が明けたのと同時に、ソニーα使いの友人と、高ボッチ高原の雲海を撮影しに行こうと言う話になりました。しかし、月齢も良かった事から、星空撮影の隊長からもお誘いがありました。このα使いの友人と星空撮影の隊長は、同じLINEグループのメンバーであり、三人で新宿のカフェでカメラ雑談する程の仲良しです。余談ですが、ブログを書いている翌日からも、この三人で群馬・長野・新潟へ遠征に行きます。彼ら二人は、最近それぞれドローンを買い足したので、いい動画撮影旅になりそうです。
話は戻し、隊長からの誘いに対し、α使いの友人と高ボッチ高原の雲海撮影に行こうと思っている事を伝えました。すると隊長、星空撮影グループの撮影候補地を、高ボッチ高原周辺に調整するので、一緒に撮影に行きましょう!と声をかけてくれました。実は、α使いの友人は前日から現地入りしており、自分一人高速バスでアクセスし、深夜に合流しようと考えていた為、隊長が自分の撮影計画に寄せてくれたのは本当に嬉しい出来事でした。と言う事で、今回念願の八島ヶ原湿原で、星空撮影を行う事となりました。
気象条件・月齢はもう外しません。勤務後の19時に合流し、隊長の運転のおかげで23時頃に現地入りできました。レンタカーと言っても、5人で割り勘すると格安です。そして、現地でα使いの友人たちと合流しました。
10ヶ月間行動を共にしている方々ですが、本当にいい写真撮影仲間ができたと思っています。と言う事で、今回は、合計7人と言う過去最大人数での星空撮影です。
八島ヶ原湿原で撮影した星空の写真
新月期の土曜日、都心から7人で23時に現地入りしました。
関東沿岸部や山間部の星空撮影地と言えば、三脚場所取りの嵐が勃発しますが、長野の山間部はどうでしょう。そんな不安を抱えながら到着。
自分は車の免許こそ取得できませんが、こんな時に撮影現地の環境を一番把握していると言う自負があります。そして、隊長がそれを知っており、みんなの前で、「◯◯さんが知っている場所だから、現地の案内をお任せますよ!」と頼ってくれる辺りも嬉しいポイント。移動も人頼り・撮影行動も人頼りでは申し訳ないですからね。人一倍の写真撮影の熱意があるからこそ、車から降りたら色々案内してあげたい気持ちであります(一回湿原の入り口間違えましたが笑)。
そして、先にも書いた通り、八島ヶ原湿原の入り口自体が、一番眺望のいい展望スペースとなっています。到着すると、なんとカメラマンは他に一人きりでした。やはり、長野の山間部は魅力的ですね。
八島ヶ原湿原の美しい木道
10月上旬は、夏の天の川は傾き沈む途中です。また、冬のオリオンは24時近くにならないと昇って来ない微妙な季節です。日没直後なら夏の天の川も狙えますが、23時となれば、一番半端な時刻。展望スペースでオリオンを撮るのが本命ですが、まずは木道に降りてみました。
八島ヶ原湿原の木道はシンプルですが、時計回りか反時計回りのどちらへ進むかで状況が全く違ってくるので、自分は即、今の季節の星空撮影に最適な方角にみんなを案内しました。
α7III+SIGMA 14-24mmf2.8 DG 14mm f2.8 ss20 iso4000 LEE-No1
八島ヶ原湿原の木道で撮影した星空の写真です。正面の明るい星が、木星でしょうか。
それにしても、カメラって本当に凄いですね。現地は本当に真っ暗ですが、ちゃんと情報を切り取ってくれています。
傾く夏の天の川
α7III+SIGMA 14-24mmf2.8 DG 14mm f2.8 ss20 iso4000 LEE-No1
傾きゆく夏の天の川を入れるとこんな感じになります。
正面がほぼ西の方角になるので、空のあかりは諏訪市や岡谷市の光害ですね。湿原は左側に広がっている為、春先に斜めに立ち昇る天の川であれば、最適な構図が作れる訳です。
そして、左端に縦に走った画像ムラをご覧ください。これ、リアフィルター(ソフトフィルター)が、レンズリア部から外れてセンサー側に挟まっていたために発生した現象です。構図は気に入っていたのですが、この時点で残念な一枚となってしまいます。
一応現地で気づき、暗闇の中で入れ直したのでその後の発生を防げたのですが、シグマのリアフォルダーの構造がちょっと気に食わないです。
LEEのリアフィルター自体は非常にいい写りをするので、ぜひチェックしてみて下さい。また、今回はNo1を使用していますが、冬のオリオンにはやや効き目が弱い為、No2がおすすめです。在庫がなかった為買えませんでしたが。
昇るオリオン
α7III+SIGMA 14-24mmf2.8 DG 16mm f2.8 ss20 iso4000 LEE-No1
いよいよ、東の空から冬の星座 オリオンが昇って来ました。
北東の空は比較的暗く、湿原との画角配置が最適となります。この構図で、木道を移動しながら色々と撮影していると、あっという間に移動の時間となりました。
最高の一枚を撮る
自分の中での今回の写真撮影旅の1番の目的は、高ボッチ高原での雲海撮影です。
あちらは天候・名所・日曜日の朝を考慮すると大混雑が予想されるため、深夜1時には移動を始め、現地入りする必要がありました。
そんな中でも、自分以外に星空撮影をもっと撮りたい仲間は多くいます。隊長ともう一人が、前方の木道でいい構図を見つけたらしく、ちょっとだけと撮影を再開し始めました。その為、自分も人声かけ、一度は時間の関係で諦めかけたこちらの構図の撮影に成功しました↓
α7III+SIGMA 14-24mmf2.8 DG 14mm f2.8 ss20 iso4000 LEE-No1
八島ヶ原湿原と言えば一番の定番構図です!
入り口近くの高台から湿地を見下ろす構図であり、湿原特有の池、そして昇るオリオンを収める事ができました。よく見ると、池で霧が発生しているのが分かります。八島ヶ原湿原も、朝霧の発生で有名な場所であり、日の出の頃は本当に幻想的な景色に包まれます。
名残惜しですが、自分には高ボッチ高原の雲海撮影が待っている為、この場を離れました。
高ボッチ高原の星空
八島ヶ原湿原で星空撮影を終えた我々は、車山での星空撮影メンバーと、高ボッチ高原での雲海撮影メンバーの二手に分かれました。
もちろん自分は高ボッチ高原の雲海撮影に行ったのですが、高ボッチ高原でも、十分に満足のいく星空撮影が行えました。
α7III+SIGMA 14-24mmf2.8 DG 14mm f2.8 ss20 iso4000 LEE-No1
高ボッチ高原の雲海撮影で、三脚場所取り後の時間潰しに撮影した星空の写真です。
他にもたくさん星空の写真が撮れたので、別途記事にします。
高ボッチ高原の雲海
α7III+SEL24105G 105mm f8 ss1.6 iso100
本命の高ボッチ高原で撮影した雲海の写真です。この日は本当に大当たりでしたね。
高ボッチ高原での雲海撮影の様子は、別途記事にします。
まとめ
八島ヶ原湿原での星空写真、いかがだったでしょうか。
湿原と木道と言う点では、尾瀬や戦場ヶ原が有名ですが、八島ヶ原湿原特有の景色があります。アクセスを考えると、この場所まで足を運ぼうと考える人間は少ないと思いますが、幼少の頃から家族と訪れた思い出の場所での星空、自分にとってはとても大切な撮影地でした。
また、本命は斜めに立ち昇る夏の天の川の為、機会があったらまた来たい場所ですね。
最後に、今回の撮影旅行を一本の動画にしたのでご覧ください。静止画が多いです。
それではまた。