こんにちは。
今回は、静岡県の伊豆半島最南端、南伊豆にある星空スポットを紹介します。
南伊豆と言えば、関東の中でも最も光害が少なく、星空が綺麗な場所です。また、星空だけでなく海の水質が綺麗で、自然が豊かな場所です。
東京都内からはやや距離があるものの、公共交通機関でのアクセスが比較的楽なため、自分は南伊豆エリアへは何度も足を運んでいます。
そんな静岡県の南伊豆には、たくさんの星空スポットがあります。そして、今回紹介するのが、数ある南伊豆エリアの星空スポットの中でも、自分が一番好きな場所。
それが、伊豆半島最南端に近い場所にある「大瀬の蓑掛岩(みのかけいわ)」です。
目次
大瀬の蓑掛岩と星空について
静岡県の南伊豆から西伊豆エリアの海岸沿いは独特の地形となっており、切り立った崖岩などが多いです。そんな岩がさまざまな形・表情をしており、奇岩と呼ばれます。自分は千葉外房エリアにもよく行くのですが、千葉県の外房と静岡県の伊豆エリアでは、岩の表情が全く異なり、とても面白いです。
画像:Googleマップの衛生画像を掲載/左下の赤印が南伊豆町の大瀬
大瀬の蓑掛岩の位置情報を把握しやすいよう、上にGoogleマップの衛生画像を載せてみました。左下に写っている伊豆半島最南端の赤印が、大瀬の蓑掛岩の位置です。
大瀬の蓑掛岩は、南伊豆最南端の石廊崎から東に行った大瀬海岸の沖にあります。そして、蓑掛岩もまた奇岩の一つであり、その位置関係から背景の沖に天の川が立ち昇ります。
そんな魅力ある場所ですが、蓑掛岩の存在を知ったのは、星空撮影を始めた2015年ごろ。しかし、東京から遠く離れている事や、天候がなかなか合わない事から、なかなか撮影するタイミングがありませんでした。そんなこんなで撮影リストに上げてから三年が経過。
ようやく2018年の5月の新月の時期に、夏の天の川の撮影に成功しました。
基本情報
・住所:静岡県 賀茂郡 南伊豆町 大瀬
・アクセス:
公共交通機関の場合、伊豆急下田駅からバスで約30分
東名高速道路の場合、東名沼津ICから天城経由、R136を下田・南伊豆町方面へ。
伊豆急下田駅過ぎたら石廊崎方面へ進み海沿いを進みます。
迷った場合、石廊崎港より少し手前にある大瀬バス停近くへ戻りましょう。
・駐車場は大瀬港・トイレあり
今回の撮影機材について
前半に紹介する夏の天の川の写真は、α7SII+LA-EA3+SAL1635Z、α7II+サムヤン14mmf2.8の二台体制で撮影しています。また、撮影日時は2018年5月の新月の頃です。
後半に紹介する冬の天の川の写真は、α7II+LA-EA3の一台に、三本のレンズを使いながら撮影しています。また、撮影日時は2017年の2月の新月の頃です。
蓑掛岩で撮影した星空の写真
ここからは、大瀬の蓑掛岩で撮影した星空と天の川の写真を紹介します。
前半は例によって二台体制で撮影した為、レンズごとに分けて書いてみます。
α7Ⅱ+Samyang14mmf2.8で撮る天の川
まずはα7Ⅱ+3万円で購入したSamyang14mmf2.8で撮影した天の川です。
α7Ⅱ+Samyang14mmf2.8 14mm f2.8 ss30 iso4000
こちらがサムヤン14mmf2.8で撮影した天の川の写真です。
2016年からずっと使用しているレンズですが、やはり14mmと言う画角は星景写真では最強ですね。周辺減光が凄まじいですが、30,000円のレンズとは思えません。
α7SⅡ+SAL1635Zで撮る天の川
次はα7SⅡ+Aマウント用の大三元レンズ、16-35mmf2.8で撮影した写真を紹介します。
蓑掛岩と焦点距離の比較ができるように並べてみます。
α7SⅡ+SAL1635Z 35mm f2.8 ss10 iso10000
α7SⅡ+SAL1635Z 28mm f2.8 ss15 iso8000
α7SⅡ+SAL1635Z 24mm f2.8 ss15 iso6400
α7SⅡ+SAL1635Z 20mm f2.8 ss20 iso4000
α7SⅡ+SAL1635Z 16mm f2.8 ss25 iso4000
大瀬の蓑書岩と夏の天の川の写真を、焦点距離35mm、28mm、24mm、20mm、16mmで撮影し、並べて載せてみました。皆さんはどの焦点距離が好みでしょうか。
自分はやはり16mmが好みですが、上で紹介したサムヤン14mmf2.8と比べてしまうと狭く感じますね。また、5月は天の川の移動する距離と見える時間帯が長く、横構図と縦構図を変えるタイミングが悩みます。
そして、古いAマウントのSAL1635Z、周辺減光も少なくとてもいい写りをしています。
※16mmの写真のみ、2022年2月に再現像しています。4年間経つと現像方法もだいぶ変わりますね。
α7SⅡ+SEL55F18Zで撮る天の川
α7SⅡ+SAL1635Z 55mm f1.8 ss10 iso4000
次は友人から借りたSEL55F18Zで撮影した天の川を載せてみました。
55mmだと夏の天の川がこんなに大きく写るんですね。さすがに55mmだと長時間露光に限界があるので、シャッタースピードを10秒にして、α7SIIの高感度を活かして撮影しました。
これがきっかけで、今回の撮影旅行の直後にこのレンズを購入する事に…。
蓑掛岩と天の川と流れ星
α7Ⅱ+Samyang14mmf2.8 14mm f2.8 ss30 iso4000
α7SⅡ+SAL1635Z 16mm f2.8 ss25 iso4000
夢中で天の川を撮影していると、数枚は流れ星が写り込みます。
そして2枚目に載せた縦構図の写真を見て気が付きました。大瀬の蓑掛岩は縦構図が素晴らしいです。もっと縦構図を追い込みたかった。
蓑掛岩と天の川とブルーアワー
α7SⅡ+SAL1635Z 16mm f2.8 ss20 iso3200
気が付けば未明3時を迎えていました。
5月にもなれば、この時間帯には空が青く明るくなってきます。ブルーアワーの時間ですね。こちらは、カメラ機材を片付け始めた頃、堤防の上から撮影した天の川であり、右側には石廊崎灯台も見えます。
蓑掛岩と冬の天の川
ここからは、2017年1月下旬に撮影した大瀬の蓑掛岩と冬の天の川の写真を紹介します。
α7Ⅱ+Samyang14mmf2.8 14mm f2.8 ss30 iso3200
α7Ⅱ+SAL1635Z+ソフトフィルター 17mm f2.8 ss30 iso3200
冬の天の川と大瀬の蓑掛岩、いかがでしょうか。
やはり真南を向いているので、冬の星空で有名な星座、オリオン座はかなり高く昇っていますね。高く昇るまでは横構図でバランスがいいですが、完全に南中した場合は縦構図で撮るのがベストだと思います。
夏の天の川と冬の天の川の両方を撮影して他のですが、冬の星空も負けていないですね。特に透き通るような冬の天の川の表情は好きです。
こうなってくると、最低でも同じ星空撮影地へはニ回撮影しに行きたくなりますね。
昼間の蓑掛岩
4時くらいに民宿に戻り仮眠。その後、ユウスゲ公園を散策し、再び大瀬の蓑掛岩へ。
α7Ⅱ+SAL2470Z 50mm f5.6 ss1/200 iso100
まさに干潮時間であり、蓑掛岩に登れそうです。潮干狩りを行っている方もいました。
まとめ
静岡県の伊豆半島最南端にある星空スポット 大瀬の蓑掛岩、いかがでしたか。
冬の天の川と夏の天の川の二度訪れましたが、やはりここの空は漆黒であり真っ暗です。
過去に奇岩と言うものを多く見てきましたが、その中でも特にお気に入りで、天の川との組み合わせでは最高の撮影地だと思います。
難点は、やはりアクセスの悪さで都内から遠い事でしょうか。蓑掛岩は日の出スポットにもなっているそうで、また機会があれば来てみたいですね。
アクセスについて
南伊豆最南端に近いだけあって、撮影は車中泊か宿をとる事が前提になると思います。
車中泊なら伊豆急下田駅から石廊崎方面へ車を走らせれば、海沿いなのでまず迷わないです。
宿をとる場合、石廊崎周囲にはなかなかありません。
その為、車で15分程のところにある弓ヶ浜周辺でとることをおすすめします。
弓ヶ浜は伊豆急下田駅と蓑掛岩の間にあるので、旅の拠点としても最適です。
また、弓ヶ浜の近くは温泉旅館や安い民宿まで沢山あります。
弓ヶ浜から蓑掛岩までは車で海沿いを走るだけなので、ナビに従えば迷いません。
周辺環境について
まず駐車場ですが、大瀬港にとめる形になります。
駐車場は比較的広いため、満車になる事はありません。
5月の平日の新月の快晴の夜で、自分を含めて三台の撮影者がいました。
車をとめたら撮影地までは1分かかりません。
階段を上り堤防を超えると岩場があり、そこから撮影する形になります。
横に並べるため、人数が多くてもそんなに困らないでしょう。
ただ、堤防を超えた途端に足場が非常に暗くなるので、満ち潮や岩による転倒に注意です。
蓑掛岩と天の川の撮影ポイント
南伊豆最南端に近い大瀬の蓑掛岩。
沖と蓑掛岩は真南の方向になるので、天の川が縦に昇る頃がベストとなります。
しかし、完全に垂直になると天の川がやや南西へ移動します。
その結果、石廊崎方面へ近づくことになります。
そうなると岩から右に外れ、灯台の明かりが入りやすくなります。
そのためおすすめは、南東方面から斜め45°程に立ち昇った頃がいい構図です。
つまり、撮影は4月以降になりますね。
これはあくまで好みであり、みんな同じ絵になるので、各々工夫してみて下さい。
あえて石廊崎灯台を入れるのも面白いです。
大瀬の蓑掛岩での注意点について
ここは漁港になっており、漁師の方が出入りします。
迷惑行為を行うと、カメラでの撮影自体が禁止になる可能性があります。
また、違法採取などがあり、夜に声をかけられる場合があります。
その場合はカメラを見せ、写真撮影が目的である事を主張しましょう。
最後に、怖いのが満ち潮です。
満潮から遠い時間でも、意外と早く手前まで波が来ます。
自分は満ち潮で三脚が飲まれそうになり、塩水が機材にかかる事がありました。
夜の海の撮影、身を守ることを最優先に考え撮影したいですね。