こんにちは。
今回は旬の記事であり、ブログを更新している今日の早朝に撮影した写真です。
2021年、待ちに待った花が開花しました。それが、東京都の絶滅危惧種に選定されている「ムサシノキスゲ」の花です。
昨年に撮影しに行った時は見頃を過ぎており、今年は絶対撮りに行こうと決めていました。
目次
浅間山公園に咲くムサシノキスゲ
画像引用:むさしのの都立公園ホームページより。
都立浅間山公園とは
浅間山公園は、東京都の府中市にあります。
名前だけ聞くと、一般的な都立公園をイメージしますが、浅間山公園はちょっと異なります。それは、公園自体が一つの山(標高80メートルほどの丘)であり、そのほとんどを雑木林が占めている点です。まさに、地元に愛される自然が残された散策路です。
公式サイトによると、多摩の台地が古多摩川や他の河川で削られ、小高い丘として残ったものらしく、浅間山公園内には、中堂山(標高80m)・中山・前山の3つの山頂があります。
浅間山公園の近くには、多磨霊園や武蔵野公園、野川公園(特に野川公園自然観察園)や府中の森公園、武蔵野の森公園があり、昔の雑木林の一部が大切に残されているのが分かります。
その他の浅間山の情報は公式サイトを引用します↓
浅間山には、浅間神社、水手洗(みたらし)神社、人見四郎の墓跡があり、昔は、近隣農家の農用林としての役割も担っていました。戦時中は、一時陸軍に接収され、火薬庫代わりに使われていましたが、戦後、地元に払い下げられ、昭和45年に公園として開放しました。
現在は貴重な自然景観として、浅間山自然保護会、府中野鳥クラブ等のご協力により、保全されています。むさしのの都立公園:浅間山公園のページより。
ムサシノキスゲは絶滅危惧種らしい!
東京都の浅間山公園には、毎年5月になるとニッコウキスゲと似た綺麗な花が咲きます。それが、絶滅危惧種に選定されている、ここだけに咲く固有種「ムサシノキスゲ」です。
ムサシノキスゲは、標高80メートルほどの浅間山のみに自生するワスレグサ科の植物です。
その姿はどこからどう見ても、初夏に長野の高原地帯などに咲くニッコウキスゲなんですが、生育環境が低地に適応した変種であり、開花の時期も5月と早いです。ちなみに、2021年は全ての花の開花が半月ほど早く、4月には開花しています。ウェブサイトの情報によると、夕方に花が閉じるニッコウキスゲとは違い、ムサシノキスゲは一晩中花が開いているそうです。
また、昔は多摩丘陵に広く生育していましたが、開発によって消滅していき、今現在は浅間山のみに自生するとか。ちなみに、絶滅危惧種に選定とありますが、東京都レッドリスト(東京都の保護上重要な野生生物種)2020年版で、北多摩地区の絶滅危惧II類(VU)に選定されているとの事で、あくまでも東京都が選定しているだけのようですね。
基本情報
・所在地:東京都 府中市 浅間町四丁目、若松町五丁目
・アクセス:
JR中央線の武蔵小金井→京王バスの東府中行きに乗車→浅間山公園で下車
京王線の東府中→京王バスの武蔵小金井行きに乗車→浅間山公園で下車
・駐車場:なし
・トイレ:あり
今回の撮影と機材について
久しぶりの花撮影になる為、フルサイズミラーレス一眼カメラ二台体制で行きました。
・α7c+LA-EA3+SAL135F28STF:花撮影なので久々のSTFレンズです !
・α7III+SIGMA14-24f2.8art:買ったばかりの為、使う為にわざわざ重たい超広角!
・SEL90M28G:花の撮影で持ち出さない理由はありません。
これらに加えて、最近購入したスマホ用ジンバルと動画撮影用のマイク、三脚も持っていきました。しかし、結局一度もレンズ交換せず動画も撮りませんでした。つまり、SEL90M28Gも全く使っていません。その理由は、嫁さんの出勤を見送る為です。
今回の撮影が朝活で、7時台に浅間山公園で撮影を行なっていました。撮影を済ませて嫁さんの出勤を見送る為、8時半には帰宅と言うスケジュールだった為、実際に撮影地に滞在したのは40分くらいです。
カワセミ撮影を行なっていた頃にも実感していましたが、早朝に写真撮影を楽しんで帰宅しても朝の8時台。それで嫁さんも駅まで見送れる、こんな充実した休日は他にありません。
ただ、浅間山公園は素晴らしい野鳥のさえずりが聞こえ是非ゆっくり動画撮影も行いたかったのです。もしかしたら、近日再出動するかもしれません。
何はともあれ、久しぶりの写真撮影でとてもリフレッシュできました。
浅間山公園で撮影したムサシノキスゲの写真
ここからは、今回撮影したムサシノキスゲの花の写真を紹介していきます。
撮影機材に関しては上でも書きましたが、9割以上をSAL135F28STFで撮影しています。
STFレンズを手にしたのは昨年で、このレンズ自体はAマウント用の非常に古いものになります。しかし、現行のどの最新レンズよりも美しいボケ味を見せてくれる為、自分は絶対に手放さないレンズの一つに入れています。
前山〜中山エリア
まずは、前山の北側道路沿いの駐輪場に自転車をとめて散策しました。
このエリアは浅間山公園の北西に位置しています。ムサシノキスゲもヤマユリも、広い浅間山公園の北側斜面が群生地となっているため、基本的にここから散策を開始します。また、案内板にも分かりやすく群生エリアが書かれています。
2021年4月下旬時点で、このエリアが最も開花株が多い印象でした。
α7c+SAL135F28STF 135mm T4.5 ss1/160 iso320
こちらが、遊歩道入り口付近の足元に咲いていたムサシノキスゲの花です。
いや〜、本当に美しいオレンジ色の花ですね。本来長野などの高原地帯に行かないと見られないニッコウキスゲが、こんな東京の真ん中で見られるなんて嬉しいです。
花色に関しては日陰だったため、なかなかいい色が出ていません。しかし、前日の夜まで土砂降りだった雨のおかげで、自然にできた水滴がとても絵になります。
これをスポイトで作る方々がいるくらいですからね。
α7c+SAL135F28STF 135mm T4.5 ss1/125 iso400
こちらは、遊歩道に乗り出して咲いていた一輪を正面から撮影してみました。
完全に開花する一歩手前と言った感じでしょうか。朝方の水滴が涼しさを感じます。
α7c+SAL135F28STF 135mm T4.5 ss1/160 iso400
STFレンズの威力を発揮するよう背景ボケを意識して撮影した一枚。
雑木林の多い浅間山公園ですが、ムサシノキスゲが自生するのは基本的に北側の斜面です。見る方向によって、空の明るい場所や暗い場所があります。
α7c+SAL135F28STF 135mm T4.5 ss1/125 iso400
斜面に咲くムサシノキスゲを、低い位置から見上げるように撮影してみました。
この構図では、背景の雑木林がとても暗いです。135mmだからこそ浮き立たせられる小さなはな。背景に溶ける雑木林も美しいですね。
α7c+SAL135F28STF 135mm T4.5 ss1/160 iso 250
こちらは、立ち入れない雑木林の遠方に咲いていたムサシノキスゲの花です。
自分の撮影前の頭の中には、朝方の暗い雑木林に日が差し込み、この写真のようにムサシノキスゲの花を照らすシーンがありました。しかし、意外と近場にはなく、望遠レンズのSEL70200GMを持って来ればよかったと後悔した部分があります。
そう言えば、SEL70200GMも一年以上使っていないような・・・。
α7c+SAL135F28STF 135mm T4.5 ss1/160 iso100
こちらもやや遠い斜面に咲くムサシノキスゲ。まだ開花前の蕾もありますね。
堂山エリア
次に、浅間山公園の北東の斜面、初夏にヤマユリが咲く堂山エリアへ行ってみました。
α7c+SAL135F28STF 135mm T4.5 ss1/160 iso320
堂山エリアを散策していると、一輪だけ美人なムサシノキスゲが咲いていました。
遊歩道の真横で開花時期もちょうど良く、水滴も適度に着いていました。これは撮らない訳にはいきません。
α7c+SAL135F28STF 135mm T4.5 ss1/160 iso400
背景に玉ボケを作って撮影してみたのですが、奥の茎の水滴も美しくボケています。
α7c+SAL135F28STF 135mm T4.5 ss1/160 iso320
こちらは背景が暗くなるよう構図を選んで撮影。
ムサシノキスゲの黄色が映える構図ですが、ギリギリ直射日光が当たらず残念。
SIGMA 14-24mm F2.8で一枚!
α7III+SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN 24mm f2.8 ss1/160 iso100
無駄に持ってきた超広角レンズ、折角なので使ってみました。
浅間山公園に咲くヤマユリ
こちらは、浅間山公園で7月に咲くヤマユリの花です。
2020年の夏に撮影した写真ですが、こちらもとても美しい花なのでおすすめです↓
まとめ
東京の府中にある浅間山公園に咲くムサシノキスゲ、いかがだったでしょうか。
上でもちょっと書きましたが、この日は前日の夜まで雨が降っていたため、雑木林全体がひんやりしておりとても爽やかな朝でした。また、ムサシノキスゲの花や茎にいい感じに水滴がついており、それだけで何倍も花が美しく見えました。
彼岸花もスイレンもそうですが、やはり花に水滴がついているととても神秘的です。
浅間山公園自体は散策路がしっかり作られており、トイレや休憩所もあります。地元で常連のカメラマンや散歩を行う方も多く、話しかけると色々教えて貰えます。
時期としてはまだ開花始めであり、これから楽しめるので是非おすすめです。
それではまた。