こんにちは。
今回紹介するのは、長野県にある北アルプスの女王 燕岳 で撮影した星空と天の川です。
今年の目標は海外写真と山岳写真でしたが、ついに実現しました。
20kgのザックはカメラ機材とテント泊セット!
ソロで行く北アプルス 燕岳一泊二日(東京から前泊した為厳密には二泊三日)の登山です。
東京からのアクセスを含めた登山の話や、燕岳で撮影した風景写真、雷鳥(ライチョウ)やコマクサの写真など紹介したい内容は山ほどあるのですが、まずはトップバッターとしてこの記事を書きます。
目次
燕岳の星空と天の川撮影
条件に波はありましたが、関東甲信地方の星空や天の川はある程度撮ってきたつもりです。
そんな中、ずっとやってみたかったのが山岳地帯での星空撮影。それが実現したのは中央アルプスの千畳敷カールくらいで、次いで渋峠・新道峠といったところでしょうか。。。
そうそう、忘れてはいけないのがハワイ島のマウナケアですね。
話は戻り、北アルプスでテント泊しての星空撮影はずっと前からの夢でした。
2016年から連休を取り続けた夏山の季節、結局3年間合計5回以上の登山計画がが天候で中止。山岳用テントも保管状態でした。
そんな中、2019年こそ登るぞと意気込み、8月の新月の季節に二連休を出しておきました。幸い梅雨明けが7月末まで押したため、当日は何とか晴れてくれました。
本題はここから。数ある北アルプスの中でどの山に登ろうか。
それは前々から決まっていました。
標高2,763m、北アルプスの女王として知られる人気の山 燕岳 です。
松本市街地の光害の影響があると言われる燕岳。その為星空だけが目的なら唐松岳もいいかなと思ったのですが、燕岳はその他の魅力が詰まった山なので、こちらに決めました。
この記事では、燕岳と絡めた星空だけでなく、稜線を歩きながら撮影した奇岩(めがね岩やイルカ岩、ゴリラ岩)と天の川の写真などをたっぷりと紹介します。
それでは早速行きましょう。
燕岳で撮影した星空の写真
ここからは、燕山荘から燕岳で撮影した星空や天の川の写真を紹介していきます。
燕岳のマジックアワー
8月初旬の日の入りは18時半頃。
午後の間はずっとガスっていた燕岳周囲も、日没前にはだんだんと晴れてきました。
α7SⅡ+SEL1635GM 20mm f2.8 ss25 iso100
時刻にして19時過ぎ頃。
燕山荘前から燕岳方面を見ると、テント場のテントたちが明かりを灯していました。
これが地上の星とか、光るダイヤモンドと言われる北アルプスのテント場ですね。
実はこう言う写真が一番撮りたかった。
燕岳とテント場を撮り続けた写真の記事はこちら↓
燕岳と北斗七星
8月初旬のこの時期の天の川の撮影は、日没直後がちょうどいいです。
それは、天の川が垂直に昇る前で、銀河の中心部分(星が一番濃い明るい部分)がよく見えるからです。しかし、実は20時頃はすっかりガスってしまいました。
21時、22時とテントから外を伺い、ガスが晴れるのを待ちますが、一向に気配なし。
山岳の夜は本当に寒く、地上の真冬の装備が必要です。
うとうと寝てしまいふと目が覚めた23時頃。テントから出ると頭上が晴れていました。
急いでフリース・ウルトラライトダウン・レインジャケットを重ね着して撮影へ。
α7SⅡ+SEL1635GM+ソフトフィルター 16mm f2.8 ss20 iso6400
急いで向かったのは、昼間のうちから探しておいた、邪魔者が入らない撮影ポイント。
そこには、燕岳と見事な星空が広がっていました。
燕岳は方角的に天の川とは絡められないのですが、北斗七星が引き立ててくれています。
北斗七星は光がオリオン座と似ている為、ソフトフィルターを使用しました。
この写真は構図的に完璧なのですが、実は物凄い強風と登山用のサブ三脚だった事もあり、実は不完全燃焼でした。やはり山岳地帯の露光はiso6400+ss30秒は必須ですね。。。
さらに、この後すぐに北の空、と言うよりは燕岳山頂はガスってしまいました。まあ、逆に言うと物凄いラッキーでした。
一泊二日のテント泊で燕岳をメインに撮り続けた写真の記事はこちら↓
めがね岩と天の川
燕岳周辺には奇岩が多く存在します。
読者様想像してみてください。時刻にして0時頃、真っ暗で寒い標高2,700mを超える北アルプスの稜線です。直前までガスっていた事もあり、自分以外の撮影者は誰一人いません。
その稜線を、ヘッドライトを照らしながら燕岳に向かい一人歩いていきます。
目的はイルカ岩と天の川を絡める事。燕岳山頂はガスっていましたが、振り返ると夏の天の川は垂直に立ち昇り、肉眼でも常に見えていました。
しかし、行けど行けどイルカ岩が見つからない…。そしてたどり着いたのがめがね岩!
α7SⅡ+SEL1635GM 20mm f2.8 ss20 iso6400
めがね岩と天の川、そして天の川の地上近くには、何と槍ヶ岳が姿を見せています。
この写真を見た瞬間は思わず声が出ました。何故か16mmで撮らなかったのが悔い…。
ただ、登山家なら誰もが憧れる槍ヶ岳。その姿を初めて収めた写真が、まさか大好きな天の川と絡めて撮影できるとは予想もしていませんでした。昼間はずっとガスの中でしたからね。
めがね岩と天の川の写真、イルカ岩を通り過ぎたからこそ撮影できた最高の一枚でした。
燕山荘と星空
めがね岩で天の川を撮影した後、燕山荘に向かい折り返します。
すると稜線の向こうには燕山荘が見えました。
α7SⅡ+SEL1635GM 16mm f2.8 ss20 iso6400
左方向が安曇野市や松本市街地の明かりでしょうか。
中央左の明かりが燕山荘、一番右に槍ヶ岳、右端の明かりは夏の天の川の端です。
α7SⅡ+SEL1635GM+ソフトフィルター 16mm f2.8 ss20 iso6400
こちらは北東の方角を見た様子。中央左に縦に流れているのは北の天の川です。
イルカ岩と天の川
さあ一番目的のイルカ岩の撮影をしないといけません。この時点で深夜1時近く。。。
下山ルートでは一瞬で見つける事ができました。
α7SⅡ+SEL1635GM 16mm f2.8 ss20 iso6400
こちらが念願だった燕岳にあるイルカ岩と天の川のコラボ写真です。
だいぶ風が強くガスが流れており厳しい条件でしたが何とか写す事ができました。
ゴリラ岩と天の川
深夜1時を過ぎており、登山の疲労もかなりあります。また、早朝にはブルーアワーの撮影やテント泊の撤収作業、そして何より過酷な下山が待っています。
しかし、折角なら三つ目の奇岩 ゴリラ岩も撮影したい。そう思い急いで足を運びました。
α7SⅡ+SEL1635GM 16mm f2.8 ss20 iso6400
左側には座りながら空を眺めるゴリラ岩、中央下には槍ヶ岳、そして縦に昇る天の川。
期待していた以上に構図がよく、なかなかいいコラボ写真が撮れました。
昼間に撮影した燕岳にある奇岩の写真の記事はこちら↓
槍ヶ岳と天の川
ガスの間からなんとか見える槍ヶ岳を左下に配置し、天の川をダイナミックに撮りました。
この写真だけはss30秒であり、やはり余裕がありますね。
α7SⅡ+SEL1635GM 16mm f2.8 ss30 iso6400
縦に昇った後に反対へ沈みゆく夏の天の川。自分が過去にあまり撮っていない姿です。
燕山荘前の星空
時刻にして1時半。最後は、燕山荘前から見られる星空を撮影しました。
α7SⅡ+SEL1635GM 16mm f2.8 ss20 iso6400
テント場でまだ明かりのある物もあったので、星空と絡めてみました。右下には夜景と雲海。
この後テントに戻り就寝したのが深夜2時過ぎ。
ブルーアワーの撮影が4時台なので2時間も寝られません。これは本当に身体を壊しそうです。
燕岳のブルーアワー
撮影データを見ると時刻にして4時09分。結局2時間寝ずに活動を開始する事に。
すぐに燕山荘前に足を運び、テント場と燕岳を入れたブルーアワーを撮影しました。
α7SⅡ+SEL1635GM 16mm f5.6 ss25 iso100
マジックアワーとはまた表情が違いますね。
山頂へ向かう登山者のヘッドライトや、撤収し始めているテントがあります。
今回の記事での写真紹介はここまで。
テント場を撮影した昼間や夕方、日の出後の写真は別記事で紹介します。
まとめ
長野県にある来アルプスの女王 燕岳で撮る星空と天の川の写真、いかがだったでしょうか。
初めて山岳地帯でテント泊と星空撮影を経験し、その過酷さや魅力を知る事ができました。
撮影条件としては、やはり8月に入るとガスの影響が大きいですね。斜めに立ち昇る天の川と絡めるには、やはり梅雨入り直前か7月の梅雨明けが最適だと思います。
今回はガスが晴れるのがちょっと遅く、天の川はやや動いてしまっていました。また、晴れた後も風やガスの発生が強く、フィルターが曇ったりブレ写真を量産したりと非常に過酷な状況でした。ただ、装備が充実していたため、寒さはまったく感じませんでした。
そう考えると、3月に行った中央アルプス千畳敷カールでの星空撮影と比べると楽でしたね。あれは氷点下20度とかだったので、手の感覚が完全になくなり痛覚が発生していました。
燕岳の光害について
星景写真撮影としては、実は最適ではないそうです。それは、地上付近には安曇野市や松本市の市街地の光害が強く、撮影に影響するだとか。
ただ、実際に撮影してみると天の川や北斗七星だけではなく周囲の星たちがはっきりと見えており、十分満足のいく写真が撮れました。また、夜景をあえて入れるのもありだと思います。
星空と被写体・構図について
今回燕岳を星空撮影に選んだ理由は、構図のバリエーションが非常に多いからです。
まず、燕岳自体の山の姿が美しい事。そして燕岳に続く登山道が視界の広い稜線であり絵になることです。また、前からやってみたかった明かりの灯るテント場と燕岳を組み合わせて撮れる事。さらにイルカ岩などの奇岩が多く、色々な印象の写真が撮れる事です。
こうやって並べてみると、燕岳は写真撮影目線でもとても魅力が詰まった山ですよね。
そうそう、勿論燕岳は初心者にオススメの山であり、決し上級者コースではない事も第一候補にあげた条件です。とは言っても、中房温泉からの合戦尾根ルートは、北アルプス三大急坂と呼ばれており、20kgのザックを背負って登るには過酷そのものでした。
夏山の服装・装備・注意点について
自分はフル装備で行きました。とは言っても、ほとんどがユニクロです。
・登山専門店購入品:登山靴・靴下・登山パンツ・高価なレインジャケット・ヘッドライト
※ 星空撮影において、ヘッドライトは必須のアイテムです。ないと遭難、滑落します。
・ユニクロ購入品:行動Tシャツ・フリーズ・ウルトラライトダウン・ポケッタブルパーカー
※ 服装は上記のものを全て重ね着しました。真夜中の活動中は暑いくらいで、一番寒い日の出の頃の強風でも寒さを感じませんでした。ただ、手袋を忘れたのは痛かった。ポイントは、ウルトラライトダウンをインナーにする事。また、高価なレインジャケットを一番外側に羽織るkとおです。
・GU購入品:ハット(1000円もしない品、首が焼けるためキャップは除外)
・アマゾン購入品:トレッキングポール(足元が暗いので夜も必須)
※ トレッキングポールは安価な物を数回使っていますが、全く問題ないです。
撮影機材について
フルサイズ一眼カメラ二台体制+テント泊装備で過酷な北アルプスに登れたのも、αの小型軽量システムがあったからこそですね。
・α7SⅡ+SEL1635GM+必要に応じてソフトフィルター
・α7RⅡ+Samyang14mmf2.8(状況的に余裕がなく星景写真では未使用)
・ベルボン UT-43Q(サブ三脚)
※ カメラ機材は正直好きなものを使えばいいですが、登山における三脚の選択は重要です。こちらは自分のサブ三脚の後継モデルで、通常のリュックサックに入るほどの小型軽量さを持っていながら、ギリギリ星景写真撮影に耐えうるスペックを持っています。