こんにちは。
このトップに載せた写真は、北半球の中では赤道に近いハワイ島で撮影した天の川です。これは恐らく、世界で一番天の川が綺麗に見える場所(標高・湿度・天文環境を総じて)です。
この天の川を撮影したレンズは、三万円程度で買えるサムヤン14mmf2.8です。シグマの14mmf1.8や14-24mmf2.8、ニコン純正の14-24mmf2.8が15万円以上する中、この格安レンズで同等レベルの星景写真が撮れる。自分で言うのは恥ずかしいのですが、正直に三万円弱で買ったレンズで撮影した写真とは思えないクオリティーです。
しかし、メリットだけではありません。この記事では、サムヤン14mmf2.8を長年所有してきた自分が、メーカーと行ってきたいろいろな対応について書きたいと思います。
目次
サムヤン14mmf2.8について
このレンズを簡単に説明すると、35mm換算14mmと言う超広角なMFの単焦点レンズです。
周辺減光がやや目立ちますが、サジタルコマフレアが良好に抑えられた超優秀なレンズ。
自分はAマント用を購入し、純正のマウントアダプター(LA-EA3)を介して使っていました。
自分の使用経過
・2016年6月にインターネットで3万円を切る価格で新品購入。
・2017年の間は一度も破損せず、星景写真撮影のみに使用。
・2018年2月に右端の片ボケの不具合を見つけ、一年保証が過ぎていた為、有償交換をする。
※この時点で、サムヤン14mmf2.8に50000円以上費やした事になります。この時の有償交換に至った経緯は前のブログで書いたのですが、ここでは割愛します。こちらの天の川の写真は2018年の2月に撮影したものです。よくよく見ると、右端の星が明らかにボケています。
・2019年の12月、西伊豆の星景写真撮影後に落下させ一部破損される。
このような経過を辿っており、もし三代目を購入した場合、せっかくのコストパフォーマンスに優れたレンズに、合計80000円とか費やす事になります。勿論これは全て自分の不注意であり、自業自得な訳で当然ですが、まあ自分としてはこれ以上の出費は避けたい訳です。
と言う事で、今後どうするのか。破損状況を踏まえて下に詳しく書きます。
レンズの落下と破損
ここでは、レンズを落下された時のお話をしたいと思います。12月2日の勤務後、職場の友人と西伊豆へ星景写真の撮影に行きました。未明には、素晴らしい星景写真が撮れました。
こちらが西伊豆の千貫門で撮影した写真です。この写真の記事はこちら↓
星空を撮影後、駐車場までの長い道のりを重たいカメラ機材を持って歩きます。その際、ずっと三脚座にカメラを取り付けたままで歩いており、無事に駐車場に到着しました。
そしてトランクを明け、車の真後ろで三脚座からカメラを取り外したのですが、その際誤って手からカメラ本体を落としてしまったのです。サムヤン14mmf2.8は明るい超広角レンズである為、重心がレンズの先端にあります。つまり、見事にレンズ先端から着地したわけです。
この時の生じた傷が、フードの破損とレンズ前玉にわずかな点々模様の傷です。
こちらが破損したレンズフードにピントを合わせて撮影した写真です。
そしてこちらが、レンズの前玉(写真で言うとレンズの左側)の点々模様の傷にピントを合わせて撮影した写真です。
メーカーに修理見積を依頼した
レンズを落下させた直後、東京の中野にあるケンコー・トキナーのサービスショップ(製品サポート・メンテナンス)に持ち込み、修理の見積もりをして貰いました。その際、以下のお願いをしました。
・破損状態の確認
・修理費用
・レンズ光軸のズレや片ボケなどの不具合の確認
しばらくして、メーカーから以下のメールが届きました。
国内では修理不可。韓国へ送る場合は往復送料が6,000円・修理費用不明・修理期間不明。
つまり、結論から言うと税込23,650で新品の有償交換しか選択肢がないと言う事です。
普通に考えれば神対応ですね。自分の不注意でレンズを破損したのに、定価より安く新しい物に交換してくれるサービス。とても嬉しいです。しかし、上でも書いたとおり、自分は片ボケの初期不良で既に一回、全く同じ価格で有償交換しているのです。これで交換したら、こちらのレンズに80,000円を費やす事になります。
いつかはシグマの14mmf1.8や14-24mmf2.8に買い換えたいと言う気持ちもあるので、ここで有償交換するのは正直避けたいところ。そこで、では実用的な部分でどのような不具合が有るのかを聞いてみました。
すると返ってきた答えがこちらです↓
規格内だが、左側に若干片ボケがあるので、開放で星の撮影をされると、影響が出ることが考えられるとの見解です。
ふむふむ。規格内だが左側に若干片ボケあり、撮影に影響が出る。非常に難しい答えですね。
まとめ
ここまでが、サムヤン14mmf2.8を所有し、破損に修理見積依頼まで至った経過になります。
今回の経験で、基本的にサムヤンのレンズは国内で修理ができない為、有償交換になる事が分かりました。ただ、友人も同じレンズを所有しているのですが、マウント部分の歪み・緩みの初期不良を問合わせたところ、光軸とともに修理してくれたそうです。なので、一概に全て有償交換とは限らないそうです。この辺りは、しっかりケンコー・トキナーさんに相談した方がいいですね。
そして今後手元のレンズをどうするかですが、今回は有償交換を行わない事にしました。
有償交換しない理由
自分は、サムヤン14mmf2.8は「星景写真」だけにしか使いません。つまり、逆光の環境で太陽を撮影する機会がないのです。
自分の見解としては、点々の傷は逆光環境に影響が出そうですが、絞り開放で撮る星景写真には全く影響が出ないと考えたからです。また、左側の片ボケですが、これは規格内=仕様であり、この記事のトップにあるハワイ島の天の川の写真を見ても、確かに左端がやや片ボケしている気がします。そう考えると、落下によるものではないと思うのです。
あとは単純に、今手元にあるレンズは、一緒に中央アルプスの千畳敷カールやハワイ島の天の川の撮影で旅をした相棒であり、手元に置いておきたいと思ったからです。
次に手放すとすれば、シグマの14mmf1.8を買ってからかな…。ただ重量や大きさの面で住み分けもできそう…。今年はガチで南半球、オーストラリアのエアーズロックと天の川を撮影しに行こうと考えているため、いろいろ悩んでいるところです。
今後の注意点
いろいろ書きましたが、そもそも破損させない注意点を理解しないといけません。
それは、カメラはバッグにしまうか、首から下げて持ち運ぶ、もしくはストラップに手を通しておく事です。三脚に取り付けたまま運ぶ方法はプロカメラマンも行っており、現実的にどうしてもこう言う運び方は行ってしまいます(刻々と変わる風景写真での時間短縮や細かな移動を行う為)。その為、着脱時に必ずストラップを先に持つ、これを心がけたいと思います。
あと大事な事をひとつ、レンズフードを装着しておくだけで、前玉破損のリスクが大幅に軽減できます。今思えば、なぜフードを外したままにしておいたのか…。多少面倒でも、今後レンズフードは装着して持ち運びたいと思います。
※ 外観で目視できる破損と、光軸のズレなど目視では分からない不具合もあるので、フードを装着した状態での落下させ無傷でも、一度メーカーに見て貰った方がいいですね。
最後に、落下・破損させたレンズがSEL1635GMではなくて本当に良かったです(;▽;)。
東京の中野にあるケンコー・トキナーさんのホームページはこちら。