こんにちは。
先日に二回ほど、家電量販店でニコンのミラーレス一眼カメラ「Z8」を触って来ました。
この記事では、元々ニコンのデジタル一眼レフを所有し、その後にソニーのミラーレス一眼カメラに移行した自分(ソニーαユーザー)の視点でニコン Z8を語ります。また、自分は長年Z8の登場を待っており、乗り換えを検討していたのでメリット・デメリットもまとめます。
こう言った製品に対する意見は、他社との比較・優位性を語りながら判断するのは当然であり、両者を比較する表現も出て来ます。かなり個人的な意見になりますが、いちカメラ好きの視点だと思いご覧ください。
目次
ソニーαからニコンZ8の乗り換えを検討!
こう言った記事や意見に対しては、「各々が買いたいカメラを買えばいい!」と言う結論に至るのは当然のため、初めに自分のカメラに対する意見=前提を書いておきます。
- デザイン製はニコンのカメラが最も好みであり(フィルムカメラF3 HPも所有)、実際に2010年に人生で初めて購入したデジタル一眼レフもニコンのD90だった。
- しかし、光学ファインダーが視力的に自分に合わなかった為、2012年当時に最も優秀な電子ビューファインダー(αのEVF)を搭載していたソニーαに移行した。
- その後も常にニコンからミラーレス一眼カメラが展開されるのを心待ちにしていたが、ソニーのカメラがあまりに優秀で、Z6やZ7が出ても移行(出戻り)には至らなかった。不便な物を取り入れたり、時代に逆光する事は一般的には行いませんからね。
- そして昨今Z9やZ8が登場し、ようやくニコンに移行(出戻り)してもいいのでは?と言う条件が揃ったので、改めてこの記事を書いてみる。
ここまでが、ソニーαユーザーである自分の、乗り換えにおける前提のお話です。細かい機能や比較は以下で行います。
Z8で感じたデメリット
レリーズダイヤルが無い!?
ニコンZ8で省かれた左肩のレリーズダイヤル
なんと、左肩の四葉ボタン下にあるレリーズダイヤルボタンが省かれてしまいました。発表前のリーク画像で、左肩の四つ葉ボタンが突起している画像とそうでない画像の両方が存在しました。ダイヤルが省かれたのを知って、二枚存在していた理由が分かりました。
ニコンD7200の左肩に搭載されたレリーズダイヤル
省かれた理由はZ9との差別化ではありません。D7200等のaps-cセンサーのデジタル一眼レフにも標準搭載されていた機能です。そして勿論、D750やD780、D850等のデジタル一眼レフのフルサイズモデルにも全てレリーズダイヤルが搭載されていました。Z9に搭載されており、Z8がD850のミラーレス一眼モデルとなれば、当然搭載されると予想していました。
Z8は、30万円台で発売されたD850よりも遥かに高い価格帯なのですから、機能面に優位性が出るのは当然なはずですが、省かれてしまったのには本当に衝撃でした。
では、何故ここまでレリーズダイヤルに拘るのか。それは勿論操作性です。
ソニーα1の左肩に搭載されたレリーズダイヤルボタン
ソニーα7シリーズにはレリーズダイヤルが無く、自分は不満を感じており、ずっとニコンのカメラが羨ましいと感じていまいした。その矢先、ソニーの上位モデルのα9やα1にのみレリーズダイヤルが搭載されました。これに対し、ニコンは下位モデルにも搭載されているのに何故?と悲観していました。
Z9でレリーズダイヤルが搭載され、勿論50万円以上するZ8にも搭載されると信じていましたが、何故かここに来て非搭載。この時点で、購買意欲は一気に下がりました。
何故価格は上がっているのにここ省いちゃうーーー!?って感じです。
メカシャッターが無い!?
これまた長年カメラをやって来た自分だから言いますが、2010年当時は光学ファインダーが搭載されたデジタル一眼レフに対し、ミラーレス一眼カメラはコストがかからない為低価格で発売されていました。
これ、我々消費者やカメラユーザーは完全に販売戦略に騙され価格に対する価値観が麻痺しています。その証拠に、2023年はデジタル一眼レフ比で、ミラーレス一眼カメラの方が遥かに高額化しており、自分を含め皆普通にお金を出しています。
では、何故こんな事になってしまったのでしょうか。
Z8には、なんとメカシャッターが搭載されていません。50万円以上するカメラにも関わらず、あのカシャ!!と言うシャッターフィーリングが味わえないのです。これはZ9も同様ですが、これには明らかな疑問点があります。
2年前の2021年12月に出たフラグシップ機のニコンZ9は、当時62万8,650円で発売されました。そして、あの低価格がメカシャッターを削ってコスト削減したからこそ62万8,650円で発売できたと話題を集めており、爆売れと在庫切れを引き起こしていました。
フラグシップのZ9が62万円だとすると、普通に考えて下位機種のZ8は45〜50万円を想像します。いやいや、メカシャッターと光学ファインダーが搭載されたデジタル一眼レフD850は30万円台で出ましたから、Z9の造りを流用できデジタル一眼レフよりもコストのかからないZ8は30万円程度で売り出せるのは当然のはずです。
こう言った経緯を見返すと、メカシャッターを含めて様々な機能を省かれて来たZ8が55万円もするのはどうなんでしょう。これは批判ではなく、正確に他社製品等と性能を比較しての疑問です。
※ここで注意しないといけないのは、物価高を理由にしない事です。物価高は性能を省く事(メカシャッター無し・OVF無し・レリーズダイヤルボタン無し・センサー流用)で相殺されるので、当時のD850と同等の価格で発売されるはずです。賃金が30年間上がらないにも関わらず、物価高のツケを我々消費者が負担するのはあってはならない事で、企業側が低価格で製品を提供するのが日本の元祖な心です。改めましょう!その心!!
失礼しました。真面目に次行きましょう!
大きくて重たい!?
ニコンが大々的に「Z9の小型化に成功した」と謳われていたので、実際にZ8のカメラ本体の重量を調べてみました。すると、910gと書かれていました。ではこれは本当に軽いに値するのでしょうか。バッテリーグリップ部分を取り除いたら軽量化するのは当然ですよね。と言う事で、謳い文句が本当か、客観的に見られるよう他社製品のカメラと比較してみました。
積層センサーでブラックアウトフリーなカメラだと、2年以上前の2021年3月19日に発売されたソニーα1がありますよね。古いカメラと比較するのは、さすがにソニーに武が悪いと思いましたが、仕方ありません。すると、α1はなんとバッテリーとメモリカード込みで約737gでした。更に、本体のみでは約652gです。
あれ!?α1って連写枚数も上ですし、2年以上も前に発売された古いカメラなのに、Z8よりも200g以上も軽いではありませんか!?これには正直衝撃を受けましたね。
ソニーが小型軽量が得意とは言っても、発売時期や性能を考えると、Z8が異様に大きくて重たいのは明らかです。ニコンはもっと他社のカメラと比較し、Z8の優位性を語るべきです。
バッテリー容量が少ない!?
蓋を開けると、ソニーのフラグシップ機α1よりも遥かに大きくて重たかったZ8。
大きくて重たいとなれば、バッテリー容量はさぞかし多いと予想します。早速Z8のシャッター枚数を調べると、340〜370枚の仕様と書かれています。あまりピンと来ない為、これも他社製品と比較してみました。
乗り換えを検討している為、今現在自分が所有しており、2018年発売で20万円ほどの低価格で買えたソニーα7IIIの仕様を見てみると、なんと610〜710枚です。
あれ!?5年も古くて安い下位機種の方が、バッテリーの持ちが遥かに良いではありませんか。バッテリーの持ちは性能面や写り以上に大事なもはや心臓部分と言っても過言では無い機能ですが、何故2023年最新モデルで50万円を超えるカメラに優位性が無いのでしょうか。これは本当に残念でなりませんでした。
積層センサーだから当然と突っ込まれるといけない為、では2年以上前に発売され、Z8よりも小型軽量で古いα1を見てみましょう。ファインダー使用時は約430枚、液晶モニター使用時:は約530枚と書かれています。Z8より遥かに多い枚数ですよね。
ソニーは別格だろ!と突っ込まれそうなので、質感や道具に拘る富士フィルムを見てみましょう。現行モデルのX-T5を覗いてみると、ふむふむ740枚と書かれています。素晴らしい!
ん〜、ソニーや富士フィルムと比較しても、ニコンZ8のバッテリーの容量は異様に少なく、高額な最新モデルにしては全く優位性が感じられません。
バッテリーは予備を持てば良いと言う考えもありますが、これ撮影現場でバッテリー切れを経験すると本当にストレスですし、ジンバルワークでバッテリー容量が原因でカメラ自体を売却した経験(ZV-1)があります。それに、何よりライバル会社よりも高い最新モデルが、基本性能で劣っている事が大問題なのです。
この辺り、Z8IIで絶対バッテリー容量改善して来ますよ。多分Z6IIIから新型かな。
※ニコンさん!フルサイズのZfでバッテリー容量が改善しているのは絶対条件ですよ!!
不要な機能での値上げはもうやめて!
極論です。
D1桁機がスポーツや報道に適したカメラ、D800桁機が高画素風景写真向きだった訳ですよね。そもそも、Z8に8Kオーバーサンプリング映像(最大60p)とかjpeg秒間120コマ/秒とか要らないんですよ。あのデザイン・質感なボディで普通に写真が撮れればいいんです。
とある写真家がTwitterで呟いていましたよ。「スチルメインの自分にとって、昨今動画性能ばかりが紛争でカメラが高騰化するのは本当に困る」と。Z7使えって!?いやいや、手抜きされたカメラなんか使いたくないですよ。
Z8のあのデザイン・質感なカメラで秒間10コマ、最新AF性能で写真を撮りたいだけです。
そう考えると、α7RIIやD850に使われている4,500万画素のイメージセンサーができた2014年時点で、風景写真カメラは完全に完結してしまったんでしょうね。30年間賃金が上がらないのに、どんどん価格が高騰化するカメラ、本当に悲しい現状です。
それでも欲しい、ニコンZ8
こうして列挙していると、ニコン Z8にはなかなか買い替えに至るほどの基本性能の優位性が出て来ませんでした。高額なカメラなのに非常に残念です。
ただ、批判してばかりだと文句を言われるので、良い点もあげてみました。
デザイン製と性能
とにかくカメラデザインが最高であり、Z9のバッテリーグリップ部分を取り除いた形状。
Nikonのロゴに、丸型ファインダー、四つ葉ボタン、Z9譲りの縦横4軸チルト液晶モニター搭載、自分が所有した事のない積層センサー搭載のブラックアウトフリーなEVF、AF性能×約4500万画素は望遠レンズとの組み合わせで野鳥撮影に最適。などなどパッとみれば55万円を出しても十分満足の行くカメラに仕上がっています。
また、実際に触ってみた感想ですが、グリップが非常にしっかりしており望遠レンズとの相性が良さそうです。体感的に、これはデジタル一眼レフではないか?と言う感じ。そう考えると、ニコンとキヤノンはミラーレス一眼を造りたかった訳ではなく、時代に合わせて仕方なくデジタル一眼レフをミラーレス化した!と言う印象です。この辺り、最もはやくフルサイズのミラーレス一眼カメラを発売したソニーって、本当に凄いカメラメーカーですね。
ただ、カメラは本体だけでなくレンズあっての代物です。ソニーαで大三元レンズを含めて14-400mmまでのレンズを充実させてしまった自分にとって、この価格の他社製カメラはおいそれと買い換える事はできません。
と思っていた先日、更に後押しする「伊達淳一のデジタルでいこう!」さんが発信している素晴らしい動画を見つけました。
自分がソニーαEマウントで最も気に入っているタムロンのレンズ「50-400mm」。
これがZ8とマウントアダプターでAF駆動したと言う情報ですが、なんと風景写真には十分適応する性能なのです。マウントアダプターを噛ませると、望遠レンズでは動作が不安定になる傾向がありますが、望遠でこの性能なら、純正の標準レンズはかなり期待できます。
自分は2016年当時、ソニーαEマウントカメラに、マウントアダプターを噛ませてソニーαAマウントの大三元レンズを使用していた経験があります。その為、マウントアダプターを使用する事に抵抗はなく、動画を見る限り当初よりも実用的に見える為、十分許容範囲です。
これにより、とりあえずZ8とマウントアダプターだけ購入してしまえば、優秀なGMレンズとZ8と言う異様な組み合わせでZ8を堪能できる訳です。
まとめ
以上が、現時点でのニコンZ8に対する感想です。
FUJIFILMのX100Vが20万円で売れた為、Z8が30万円台で買えます。もうすぐ夏のボーナスシーズンですし、この機会に買ってしまうのもありです。余談ですが、Z8は最近在庫切れ状態になりましたが、53万円台とかでフリマアプリで中古が出回り始めています。また、新品は2年以上経っても恐らく値下がりしません。
これらを加味すると、買って遊んで数年後に売却しても経済面にノーダメージです。ただ、今現在カメラ機材には全く困っていませんし、普通に考えてα1買った方が実用面では便利な事に違いはありません。
ポチるかポチらぬか、もう少し自問自答してみます。
それではまた。