こんにちは。
今回紹介するのは、2020年の10月に撮影した栃木県奥日光の星空写真になります。
場所は、温泉街に囲まれた中禅寺湖です。
目次
栃木県 奥日光の中禅寺湖で星空撮影
奥日光に三年間連続で通い続けている自分ですが、中禅寺湖周辺で宿をとったのはこの秋が初めてであり、中禅寺湖で星空を撮影したのもまた、今回が初めてになります。
中禅寺湖ついて
中禅寺湖は栃木県日光市のいろは坂を登った先にある大きな湖であり、奥日光を代表する最も有名な観光スポットです。また、湯元温泉を引いた温泉地であり、旅館が数多くあります。
中禅寺湖は周囲が約25km、最大水深が163mで、2万年ほど前に男体山の噴火による溶岩の影響で原形ができたと言われています。
中禅寺湖の周辺は四季を通して美しい姿を見られる為、明治から昭和初期にかけて外国人の避暑地として賑わいました。湖の東側にあるフランス大使館やイギリス大使館は有名ですね。
そんな中禅寺湖ですが、周囲の山々は落葉広葉樹に覆われており、秋の紅葉シーズンは特に綺麗です。特に八丁出島を通る白い遊覧船は全国的に有名な場所となっています。
そうそう、釣りの名所としても有名ですね。
基本情報
・所在地:〒321-1661 栃木県 日光市 中宮祠
・アクセス:JR/東武日光駅から東武バスで約40分(10月は3時間以上かかります。)
・星空指数:標高1500m以上に位置し、温泉街があっても満点の星空が見られます。
今回の星空撮影について
今回の旅の主目的は星空撮影だけではなく、奥日光の中禅寺湖エリアの紅葉撮影旅行が主目的になります。2020年の10月25日から二泊三日で宿をとり、朝から晩まで中禅寺湖の写真を撮り続けました。
中禅寺温泉街は湖の北東部に位置しており、夏の天の川を撮影するには中禅寺湖の北西側に移動しないといけません。しかし、10月は天の川の位置自体が微妙な為、そこまでロケーションを意識せず、宿から徒歩圏内で撮影できる場所を探しました。
その結果、中禅寺湖の東側の湖畔から男体山を入れる形となりました。男体山は中禅寺湖の北側に位置している為、天の川は構図に入りません。その為、上手く中禅寺湖と男体山、北斗七星が構図に入る場所を探しました。
結論から言うと今回宿泊した宿の真ん前が一番いい構図であり、中禅寺湖に男体山、中禅寺温泉街、そして北斗七星と薄い天の川を絡める事ができました。それがトップの写真です。
中禅寺湖で撮影した星空写真
ここからは、奥日光の中禅寺湖で撮影した星空の写真を紹介していきます。持っていったカメラ機材はα7IIIとSEL1635GMです。そう言えば、最近自分の中での星景写真の基本レンズ、サムヤン14mmf2.8を持ち出さなくなりました。これもドローンを運用し始めた結果ですね。
未明のオリオン
α7III+SEL1635GM 16mm f2.8 ss20 iso1000
最初に紹介する一枚は一泊目に中禅寺湖の船場から撮影した未明のオリオン座の写真です。この場所はお世話になった民宿専用の船乗り場でお借りしましたが、宿泊していない方は基本的に入ってはいけない場所です。
長年星空撮影をしてきた自分の考えとして、宿をとった場合、一泊につき星空撮影のチャンスは二回あると考えています。それが、就寝する前の日没と、早起きした未明です。今回はこのスタイルで二泊した為、四回星空撮影を試みました。
しかし一泊目の夜空は雲が多く、やや微妙な状況でした。その辺は二泊目の未明に解消!
自分は夏の季節のみ、未明の方が雲が消えやすいと思っていました。しかし、10月の秋も同じでした。この構図、日没直後の10月は消えゆく夏の天の川が撮れるのですが、ご覧の通り西の方向は分厚い雲で覆われています。
天の川と北斗七星と男体山
α7III+SEL1635GM 16mm f2.8 ss20 iso 1600
こちらは二泊目の未明に中禅寺湖の湖畔から撮影した男体山と星空の写真です。未明5時直前であり、右側の東の空がほんのり明るくなっているのが分かります。そして右上には北斗七星、男体山の左には縦方向に薄い天の川が見えます。
また、中禅寺温泉街に灯されて、山々が紅葉しているのが分かります。中禅寺湖の湖畔を南に30分も歩けば光害のほとんどない湖畔から星空が撮れるのですが、夜景と男体山の両側の裾野が見えるポイントが気に入ったので、この場所を選びました。
夜景とのバランスが難しく、空はやや暗くなってしまいましたが、お気に入りの一枚です。
α7III+SEL1635GM 16mm f2.8 ss20 iso 2000
西の方面、戦場ヶ原の方に目をやると、凄まじいほどの星が散りばめられていました。さすが栃木県を代表する景勝地、奥日光の中禅寺湖ですね!
中禅寺湖の写真(外伝)
α7III+SEL24105G 24mm f5 ss25 iso 100
外伝と言う事で、今回の中禅寺湖写真撮影の旅で撮影した、星空以外の写真を少し紹介します。今回は中禅寺湖の湖畔に宿をとったと言う事で、中禅寺湖と男体山をいかに綺麗に撮るか研究を行いました。この場所も星空撮影の候補ポイントでしたが、先にも述べた通り、男体山の裾野が削れちゃっているので除外しました。ただ、夜景は遠ざかっており、星空は上の写真たちより明るく撮れたかもしれません。
α7III+SEL24105G 24mm f8 ss25 iso 100
ラスボスと戦うステージに向かうような異空間のこの写真・・・。
こちらは歌ヶ浜で撮影した中禅寺湖の写真です。撮影したのは初日の日没後。ここでは沈みゆく夏の天の川やオリオン座が撮影できる想定ですが、10月の日没後は曇っており、未明はまだオリオン座が高い位置にあるので微妙です。
α7III+SEL24105G 35mm f8 ss1/40 iso 125
こちらはさらに南下したところにあるイタリア大使館記念公演の桟橋から撮影した男体山の写真です。ご覧の通り、男体山の右側の裾野は完全に隠れてしまっています。
ここで16mmに変えたところで、右側の森の割合が増えるだけです。光害がないのは非常にいいんですけどね。
今思えば、ここからさらに中禅寺湖の湖畔を南下し、八丁出島の手前付近に行けば、もっといい構図に出会えたかもしれません。ただ、深夜にそこまで歩くのは骨が折れます。
湯ノ湖の星空と天の川
こちらは同じく奥日光で撮影した星空の写真。日時は8月の下旬で、湯ノ湖に一人旅した時に撮影した天の川の写真です。こうして見ると、中禅寺湖の西側にある千手ケ浜に行けば、立ち昇る素晴らしい夏の天の川が撮れそうです。ただ、あそこは自家用車では行けず、低公害バスでも赤沼倉庫から30分かかるので、野宿でもしないと不可能です。
まとめ
栃木県日光市 奥日光にある中禅寺湖で撮影した星空写真、いかがでしたか。
自分はちょっとに不思議に感じました。
奥日光は都心からアクセスしやすい山(大自然)として知られており、その為紅葉シーズンに大渋滞が起こります。しかし、何故か星空撮影地としてはあまり有名ではなく、作例も非常に少ないです。
そんな中、実際に星空を撮影して見ると、空自体は非常に暗く、中禅寺湖の北西エリアをもっと研究すれば、素晴らしい天の川の星景写真が撮れそうだと感じました。また、南側を開拓すれば、男体山を中心とした星の日周運動の星景写真が撮れます。
一つ言えるのは、星空撮影は天候に非常に左右される為、基本的に直前に計画を立てます。その為、星空撮影をする人間は車で弾丸で行くスタイルが多いのです。都心からアクセスがいいと言っても、流石に富士五湖や関東沿岸部などと比較すると弾丸でのアクセスは難しく、やはり宿泊して狙うのが基本になると思います。
これが、まだ星空の作例が少ない理由の一つではないかと考えています。
実際に自分のように奥日光に何度も宿泊しながら星空を撮影する人間も少ないですから、ちょっと優越感に浸れますね。
星空撮影地としてはまだまだ未知の中禅寺湖、今後も通いたい場所になりました。