一眼カメラで撮影したレナード彗星の写真!@撮影方法や機材を紹介!

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こんにちは。

2021年はたくさんの星空を撮影してきましたが、12月の上旬の頃、一年の星空撮影を締めくくる天体イベント「レナード彗星(C/2021 A1; Leonard)」の撮影に行ってきました。

それでは早速行きましょう!

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一眼カメラα7IIIでレナード彗星を撮影する!

レナード彗星について

自分は天体マニアではなく、レナード彗星には正直興味がありません。

ただ、2020年のネオワイズ彗星同様、映画「君の名は」を思わせるその美しい姿は「星空や星景写真」として興味があり、せっかくなら撮影してみたいと思いました。また、今回地球に再接近した後、もう二度と地球に来る事のない彗星と言う事で、カメラマンとしてはそれだけで追いかけ撮影するには十分な理由になります。

と言う事で、レナード彗星の概要に関しては、専門サイトを引用したいと思います。

レナード彗星(C/2021 A1; Leonard)は2021年1月3日、米・レモン山天文台のGregory J. Leonardによって発見された。符号からわかるように、今年最初に発見された彗星である。発見時の光度は19等級で、太陽から約5天文単位(7.5億km)の距離にあった。

このレナード彗星が12月12日に地球から約0.233天文単位(3500万km)の位置を通過し、肉眼で見える明るさになると予想されている。12月には6等級を上回り、肉眼彗星として最大4等級になる見込みだ。

11月15日未明に東京荻窪天文台で撮影した画像には、すでに核を取り巻く緑色のコマや短いながらもしっかりとした尾が写っていた。東京の明るい光にも負けることなくしっかりとした彗星らしい姿を見せてくれている。当初の予想よりやや明るい印象で、12月の最接近時へ期待は高まるばかりだ。

引用サイトはアストロアーツより。

今回の撮影に至った経緯

365日完全シフト制の職場に勤めている自分は、毎月新月期に希望休を申請します。

12月上旬も同様に、新月期の土日に休日を入れており、いつもお世話になっている星空隊長と撮影に行く計画を立てていました。通常、この季節に主役になる被写体はオリオン座と冬の天の川。特に、先月11月上旬はオリオンとな火球が撮影でき、興奮が止みませんでした。

画像:11月上旬に撮影した冬の星座と火球の写真

そんな中、12月12日頃に話題のレナード彗星が3等星ほどの明るさになるとか。

自分達が星空撮影に行った日が10日の夜から11日未明。天気予報ば関東全域快晴。本来は10日金曜日〜12日日曜日に三連休を作り、9日木曜日の仕事後から西伊豆へ遠征する予定でした。しかし9日木曜日の天候はイマイチ。そこで、一番天候条件の良かった10日の夜から11日の未明にかけて、天候の良さそうなエリアで星空撮影を行う事となりました。これにより、夜中はオリオンと冬の天の川を追いかけ、未明には昇るレナード彗星が撮影できる訳です。

当日は三人でレンタカーを借りて21時前に都内を出発。実際の撮影地については、写真を載せながらお話ししたいと思います。

撮影に使用したカメラ機材

今回はレナード彗星を撮影する為、ポータブル赤道儀 ポラリエを持ち出しました。

また、望遠レンズが必要と予想し、SIGMA100-400mm DG DNに加え、まさかのTAMRON E70-180mmf2.8をこの日のために急遽追加購入しました。

と言うのも、望遠レンズを安全にポータブル赤道儀 ポラリエに乗せるには、シグマはやや不安であり、SEL135F18GMかTAMRON E70-180mmf2.8を候補にしました。そして、自分は風景写真がメインの為、やはり望遠ズームレンズを選びました(SEL70200GMを売却しばばかりですし)。星空撮影の後、夕日や夜景撮影でE70-180mmf2.8を何度か持ち出しましたが、本当に凄いレンズですよ!SEL70200GM2が小型軽量で話題を集めていましたが、それと比較にならない位の魅力を秘めています。E70-180mmf2.8の欠点はそのチープなデザインなので、是非二型を価格据え置きで出してほしいですね。

そして、望遠レンズ二本やポータブル赤道儀、ドローンなど上記機材全てをひとつにまとめるために、初めてShimoda(シモダ)アクションX50を持ち出しました。

アクションXがどんなカメラバッグかは、下の記事で紹介しているので是非ご覧ください。

ソニーαEマウントユーザーの自分が、大容量カメラバッグ「Shimoda (シモダ) アクションX50」を購入したので紹介します、

撮影した星空の写真

ここからは、2021年12月上旬に撮影したレナード彗星撮影をお送りします。

彗星の撮影地選びの話

α7III+SIGMA14-24mmf2.8 DG DN 14mm f2.8 ss20 iso4000

α7III+SIGMA100-400mm DG DN 100mm f5 ss20 iso3200

レナード彗星は未明4時半頃、東北東から昇ってきます。

こちらは千葉県外房にある某景勝地であり、ここでオリオンや冬の天の川を撮影していました。レナード彗星は12月12日の未明にかけて、極めて水平線/地平線付近に昇る為、100mm以上で切り取っても星景写真が成り立つと予想し、上記写真のように、前景の海と街明かり+レナード彗星を想定しました。

つまり、上の写真は完成予想図なわけです。しかし、見てお分かりの通り、光害が予想以上に強く、これでは外房まではるばる来た意味がありませんでした。

この写真を撮ったのが1時とかであり、レナード彗星が昇るまでにまだ3時間以上ありました。そこで、急遽三人で会議し、場所を移動する事になりました。

せっかくなので、ここで撮影した別の写真もちょこっとお見せします。

オリオン大星雲を追尾撮影した話

α7III+SIGMA100-400mm DG DN 400mm f6.3 ss10 iso6400

オリオン大星雲をポータブル赤道儀 ポラリエで10秒間追尾撮影した一枚撮りです。

外房の空は非常に暗く、北極星での極軸合わせも容易でした。そして、400mmで10秒と言う驚きの露出時間ですが、星はピタリと止まり、オリオン大星雲が見事に写っています。

超望遠ズームレンズとは言っても、SIGMA100-400mm DG DNは1.1kgほど。その為、小型軽量なα7シリーズであれば、ギリギリポータブル赤道儀 ポラリエに乗りました。これ、星の位置が低いと耐えられなかったかもしれません。

余談ですが、隣の友人は改造機を使用しており、青い大星雲ではなく、赤い星の光も見事に写り込んでいました。これを体験してしまうと、ポラリエU(耐荷重が初代より500g高い)や天体改造機が欲しくなりますね。特に、星景写真と違って天体写真(星野写真)はロケーションに左右されない為、光害さえ少なければ、駅前とかでも撮影できそうです。

この他、スバル等別の星も追尾撮影したので、別記事で紹介できればと思います。話がそれたので、記事タイトルの本題の話へ戻りましょう。

彗星の撮影地とアークトゥルスの話

α7III+SIGMA14-24mmf2.8 DG DN 24mm f2.8 ss15 iso 1600

自分は星景写真が専門であり、ロケーションを重要視します。

その為、自然に知名度の高い撮影地での星空撮影が多くなります。特に、自分だけの場所や未知のエリアを開拓したいと言う願望はなく、人と差をつけ作品作りをしている訳ではありませんからね。そもそも車の免許を取得できない自分には上記は無理な話で、もし本気で星景写真で作品を作る場合、沖縄の離島とかでやりたいですね(マングローブと星空とか)。

と言う事で、今回のように予め想定していた撮影地が駄目になった場合、星空隊長はかなり調査能力が高いです。即座にGoogleマップやGoogleストリートビューを駆使し、現実的に行ける範囲で最適な場所を探し出してくれます。

上記は、急遽変更し隊長が見つけた場所を24mm+ソフトフィルターで撮影したものです。これ、一般的な車は使わない旧道の隅であり、もはや撮影地でも観光地でもありません。また、左に港の光害が目立ちますが、ソフトフィルターをかましてこの程度ですし、レナード彗星は100mm以上で撮影する為、無問題でした。

さあ、ここからレナード彗星をどう撮るかですが、上の24mmの写真で何故ソフトフィルターを使用したか。それが、レナード彗星を探す指標となるアークトゥルスが中央左上に写っており、分かりやすく表現する為です。

このアークトゥルスのちょうど真下かやや左下からレナード彗星が昇ってくる予定です。時刻は未明4時40分頃、いよいよその時がやってきました!

レナード彗星現る!

α7III+TAMRON E70-180mmf2.8 180mm f2.8 ss20 iso1600

ポータブル赤道儀 恒星追尾モード

180mmで想定付近を追尾撮影し続けていると、遂にレナード彗星が昇ってきました。

右下に流れるように、左上に向かってはっきりと光の尾が伸びており、他の恒星とは全く違う姿をしています。これが、自分が人生で初めて撮影した彗星の姿になります。

これ、少しトリミングしている写真ですが、レナード彗星は想定していたよりも淡く小さく、拡大表示してみてようやく確認できるレベルでした。もちろん、一緒に撮影していた友人も、肉眼では全く気づかなかったそうです。

レナード彗星1枚撮り

α7III+TAMRON E70-180mmf2.8 180mm f2.8 ss10 iso 3200

ポータブル赤道儀 恒星追従モード

レナード彗星はどんどん空高くへ昇って行きました。

こちらは、180mmで山の稜線が入らなくなった時点で撮影した一枚。恒星とレナード彗星の動きは微妙に違うそうですが、面白いのは見かけ上は右下に流れているように見えるレナード彗星ですが、地球の自転の影響で上へ向かって昇っていくと言う点です。

そして、iso3200ですが、なんとなくノイジーな写真になっているのが気になります。

レナード彗星5枚スタック

α7III+TAMRON E70-180mmf2.8 180mm f2.8 ss10 iso 3200

ポータブル赤道儀 恒星追従モード 5枚スタック

と言う事で、追尾5枚撮影を行い、遂に人生初のスタックをPhotoshopで試してみました。ポータブル赤道儀 ポラリエのおかげで、星は微動だにせず、ノイズは見事に除去されました。また、肉眼に近づけるため、上の一枚撮りよりも星空を暗く処理してみました。

迎えたブルーアワーの頃

α7c+SEL35F18F 35mm f8 ss10 iso100

あっという間にレナード彗星は明かりに消え、ブルーアワーの頃を迎えました。

12月12日にかけてレナード彗星の明るさ(地球との距離)は増しますが、昇ってくる時間が遅くなってくる為、この日が撮影に最適だったのかもしれません。

今回のレナード彗星の撮影地がブルーアワーに包まれた為、35mmの単焦点レンズで撮影しました。動画を撮らない日も、α7cはサブカメラとして大活躍してくれている今日この頃。そして、星空撮影後のブルーアワーは本当に綺麗で毎回感動します。

この後、ドローンでの空撮に行きます。

まとめ

今回は、デジタル一眼ソニーのαでレナード彗星を撮影した様子をお伝えしました。

こう言った写真は高額な望遠鏡等の特殊な機材が必要かと思いましたが、まさかのポータブル赤道儀と手元の一眼カメラで撮影できました。なにより、大三元で1kgを遥かに下回る望遠ズームレンズ TAMRON E70-180mmf2.8の力量に驚かされました。このレンズは、ソニー純正では絶対に作れません。写りは最高レベルですし、もう二度と見られないレナード彗星を撮影する為に急遽追加(撮影前日に納品)しましたが、その選択は大正解でした。

今までは、ソニー純正のレンズをメインに揃えていた自分ですが、もはや純正に拘る時代ではなくなってきたなと感じています。レンズの性能を100%引き出せるなんて、スポーツ撮影くらいでしょうしね。それよりも本当に重要なのは、自分の撮影スタイルに応えてくれるか、これに限ると思います。

こう言った天体写真を撮影していると、より精度の高い赤道儀や、星の光を正確に捉えられるカメラが欲しくなります。とりあえず、ポラリエをポラリエUにグレードアップさせるか悩みどころ。天体改造機はスタック撮影前提の為、aps-c機の中古が狙い目だとか。

レナード彗星の撮影を終えて、今思えば昨年のネオワイズ彗星も撮影してみたかったと後悔が非常に大きいです。その為、次に素晴らしい彗星の姿が写真に撮れるよう、これから手元の機材を揃えて行きたいと思います。

それではまた。

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