【徹底解説】燕山荘のテント場マップと場所取りの方法について!

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こんにちは。

長野県北アルプスにある超人気の山、燕岳。

登山の宿泊拠点となる燕山荘とテント場は、超人気の為に場所取りの激戦区となっています。

燕岳登山前の下調べでは、昼頃の到着ではテント場の場所取りが困難になるとか…。

時間帯別の混雑状況が書かれたブログはあったのですが、燕岳テント場のマップ・構図・環境について詳しく解説しているサイトはなく、自分はとても困りました。

また、既に激戦区でありながら公式ホームページに詳細がないのが不思議なものです。

せっかく重たいテントを担いで登山を行うのですから、ロケーションのいいテント場を確保したいですよね。また、写真撮影で時には三脚の場所取りを行う自分にとって、テント場の場所取りは近しいものを感じ、やはりそれなりの準備をして望む必要があると感じました。

何故テント場の詳細情報について自分がここまで執着するのか。

それは、SNSなどで発信されたら人が押し寄せるような撮影地でなく、既に激戦区で先着順で場所を確保しないといけない燕岳テント場について、詳細情報がない事自体が現地トラブルに繋がる可能性があります。

逆に、詳細がわかっていれば、円滑にテント場を確保でき、他社との現地トラブルも減ります。と言う事で、自分の体験・経験をもとにしっかり配信したいと思いこの記事を書きます。

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燕山荘テント場について

では、公式ホームページに書かれている燕山荘テント場の情報を見てみましょう。

・テント 1名様 ¥1,000(税込)。
・約30張。非常に敷地が狭いので、指定地内に協力し合って張る事。
・予約制度ではない(先着順)。
・テント場が一杯になった場合指定地以外での幕営は認められず燕山荘に宿泊。
燕山荘テント場が一杯になった場合の幕営につきましては、合戦小屋のテント場(燕山荘と連絡をとりあっていますので、合戦小屋の指示に従って下さい。)か、縦走される方で、早く到着された方は、敷地に余裕のある大天荘のテント場を目指して下さい。

・テント場は特別保護地区の為、整地や水切り禁止。

・野生動物保護の為、ゴミ類は全て持ち帰り。調理後の液体も捨てない事。
・燕山荘の建物内で調理は禁止。
・水は別途有料。燕山荘売店で購入。

・テントのレンタルはなし。

翌日早朝出発のため、早目に就寝の方もいらっしゃいます。 遅くまで大声で話すなど周りの方へ迷惑になることは慎みましょう。 皆が安全で楽しい山行になるよう心がけましょう。

・トイレはテント場のトイレを使用。

・積雪がありテント場のトイレが使えない時期は山荘のトイレを使用。
1921年の創設より「明るく楽しい」山小屋作りをモットーに、アルプスでも有数の歴史を誇る山小屋のひとつです。営業期間、ご宿泊、料金、昼食営業、売店についてご案内しています。

燕山荘テント場マップ

ここからは、自分の体験や経験をもとに、燕山荘テント場について解説していきます。

こちらが、グーグルマップの衛星画像と自作の燕山荘マップです。

左側が衛星画像、右側には自分が手書きで作ったテント場のマップを載せてみました。

燕山荘テント場の構造

こちらは燕山荘前からテント場を見た様子です。上のマップと照らし合わせて見て下さい。

左奥には燕岳、右下が中房温泉への下山道。

テント場は稜線の上にある為、テント場自体が丘になっています。棚田や三角形のおにぎりをイメージしてもらうと分かりやすいですね。その為、燕山荘から③のエリアは見えません。

つまり、三角形のおにぎりの頂点が②のエリア、燕山荘の見える側斜面が①のエリア、燕岳の見える斜面側が③のエリアと大きく分けられます。

勿論、三角形である丘の頂点である②のエリアが一番狭くなっています。

テント場周囲の遊歩道は右下の中房温泉下山側から登り、時計回りにトイレへ続くアップダウンの形になります。ちなみに、①のエリアの右側からも、②のエリアまで登る事ができます。



燕山荘テント場の環境と特徴

ここでは、燕山荘テント場マップの①から③のエリアの特徴を書きたいと思います。

①のエリア

燕山荘側の斜面であり、テントからは燕山荘と下界市街地の夜景、下山ルートがが見えるのが特徴のテント場です。季節によっては日の出も見えるエリアであり、斜面の上に行くほど人気がありすぐに埋まります。恐らく、①のエリア斜面の一番上(②の手前)が一番人気です。

午後のテント場①エリアの様子。こちら側は昼には満員ですね。

朝の6時台のテント場①エリアの様子。撤収作業前後であり人気エリアもガラガラです。

②のエリア

燕山荘テント場を三角形のおにぎりに例えた際、一番高い頂点に位置するテント場です。特徴は燕山荘や夜景だけでなく、反対側の燕岳も一望できるエリアです。しかし、このエリア自体も横に二列になっているため、結局見えるのは燕山荘側か燕岳側になります。また、燕山荘とトイレそれぞれへのアクセスが非常に楽である事も特徴です。難点は、トイレの臭いがほんのり届くことです。

ちなみに、自分は②のエリアの燕岳が見える側にテント場を確保し設営しました。

こちらは午前の10時半のテント場②エリアの様子。自分のザックを入れて撮影したのですが、やはり燕山荘側は人気で、既にテントが設営されていました。

こちらは夕飯時に②のエリア(自分のテント内)から撮影した写真です。燕岳が見えます。

③のエリア

こちらは燕岳が見える側の斜面にあるテント場になります。特徴はテントの入口から燕岳が見える事でありリッチが最高なのですが、トイレの臭いが強烈で一番人気がないエリアです。逆に言うと、テント泊でのトイレへのアクセスは一番楽になります。

こちらは夕方にテント場③のエリアを撮影いた様子。左に見える屋根がテント場トイレです。

同様にトイレ前から斜面の上方面を撮影した様子。

テント場の③エリアは不人気の為、まだ空いているスペースがありますね。

テント場のトイレ

燕山荘テント場のトイレは③のエリアの階段を下った先にあります。

写真のように、手前が男子トイレ、右側から回り裏側が女子トイレとなっています。

勿論水はいっさい流れません。臭いが非常に強烈なため、必ずドアを閉めましょう。
基本的に利用する際の協力費を求める書き込みはなく、使用無料だったと思います。

燕山荘テント場の利用方法(場所取り)

ここでは、テント場の利用方法として、受付と場所取り、注意点について書きます。

燕山荘で受付を行う

到着後は、テント設営の前に燕山荘で受付を行いましょう。

これは当然の事ですが、明らかにザックを先に置いて場所取りを行っている登山者がいました。気持ちはわからないではないですが、予約制ではないテント場のルールとして、受付を行ったうえでの場所取りを行うのは絶対のルールなので、しっかり守りましょう。

※ これを破ると現地でのトラブルにつながります。

指定のプレートを吊るす

燕山荘でテント設営の受付を行います。簡単な用紙の記入を行うと、このように幕営手形 燕山荘と書かれた赤いプレートが貰えます。これを、テントの外側(外から見える場所)に吊るします。これがしっかり受付を行いお金を支払った証拠となります。

※ 紛失に気をつけましょう。特に撤収作業時は要注意!

テントの固定はペグか石か

テントを固定する際、中くらいの石が周囲にあったため、自分はペグを使用しませんでした。

しかし、外国人登山者は一生懸命ペグを打ち込んでいました。

この辺はエリアによるのかもしれません。詳細は燕山荘に問い合わせるのが一番ですね。

場所取りとルール

自分が燕岳のテント場を利用し感じた事を書きたいと思います。

テント場を利用する登山者は、自分のようにソロ(一人)、カップルや家族、そして山岳部やサークルの三パターンに分かれます(テント馬にはアジア系の外人さんもかなりいましたが、意外と静かでした)。ここで一番大変なのが、山岳部と被る事です。団体でテント場に押し寄せる彼らは、場所取りのスペースが広くなります。

山小屋泊で学校登山日にかぶるのと同じイメージですね。

今回遅く到着し、テント場設営エリア外に設営していた登山者の団体も登山部の学生でした。彼らは大声で今からトランプやろうと叫びだし、こちらとしては勘弁してくれと感じました。やはり若い学生はマナーが悪い印象があります。

テント場が確保できない場合は規定通り燕山荘に宿泊か、1時間下山し合戦小屋にテントを張るのですが、それは最終手段らしいです。つまりどうなるかと言うと、先に到着して場所を確保したテント泊登山者に、テントを詰めてくれと言う交渉が始まります。

本音はゲッ!ですよね!? しかしこれは当然の事です。山の上では皆が協力しないといけませんし、お金を払った全員にテントを張る権利があります。

今回酷かったのは、とあるカップル、広いスペースのど真ん中にドーンとテントを設営し、ずっとテントを空けていたのです。詰めればあと二張りは設営出来るであろうテント場にひと張り。学生たちが腰を低くして交渉に行くも、無人では詰められません。結局このカップルのテントは広いスペースを二人占めで使用したのです。勿論テントを長い時間空けている事自体は問題ないです。散策しているのかもしれませんしね。問題だったのは、テントの設営の仕方です。早く到着しても、ある程度詰めて設営するのがルールです。このカップル、食後口でゆすいだ唾液もテント場の隅に吐き出していました。本当に信じられません。

結局例の学生たちは、何とか他の方の協力でテントを張れていましたが、こう言う場合は、燕山荘のスタッフさんがしっかり対応して欲しいものです。

安いとは言え、整備費用のみの環境に毎日1,000円×30張り=30,000円は入るのですから…。

せっかく早く到着していい場所を確保しても、後から到着した登山者につめろと言われるのは気持ちのいいものではありません。つまりテント場の確保で一番頭に入れておく事は、導線を確保しつつ無駄なスペースが生まれないように自分のテントを設営する事。これが最善の方法です。自分はこれを意識して設営したので、両側を空けていたにも関わらず、後から到着した登山者が問題なくテントを設営でき、自分のテントを詰める必要もありませんでした。

自分の体験が、読者さんの参考になれば幸いです。

燕山荘テント場の混雑状況

燕山荘テント場の混雑状況について書きたいと思います。

条件として、2019年の8月の新月の頃。平日で登山指数や天候は快晴です。

まず、自家用車のある方は日の出前にでも到着し、早めに登ればいいです。自分は高速バスと公共交通機関をの次ぐテント泊なので、自然と登山開始時間が縛られます。

コースタイム通りだった為、到着時間は午前中の10時半頃でした。四時間ちょいの登山です。

この時点で①のエリアは半分以上埋まっていましたが、まだスペースが空いていました。②のエリアは燕山荘側一列が全て埋まっており、燕岳側一列は空いていました。

自分はここにテントを設営しました。この時点で、③のエリアは全て空いていました。

撮影情報は10時38分。③のエリアがガラガラなのが分かります。

昼を過ぎると①のエリア側から徐々に満員になり、③のエリアが埋まってきます。そう考えると、13時を過ぎても③のエリアなら確保が可能です。

16時を過ぎてから到着するという強者!?もいました。しかし…。

こちらは17時頃に燕山荘側から撮影した写真です。左上を見ると、丘の上のテント場ではない場所=設営エリア外に設営している若者がいます。彼らはこの後燕山荘のスタッフさんに注意を受け、テントを撤収させられていました。つまり、8月の平日であるこの日は、燕山荘テント場は完全に満員になったのです。



まとめ

今回は、北アルプスで人気の山 燕岳のテント場の様子をお伝えしました。

この記事では平日の状況をまとめましたが、土日祝日やお盆の季節はさらに激戦となり、公共交通機関でのアクセスは大変なのではと想像できます。

撮影地の三脚の場所取りにも言えますが、早く到着できなかった場合、お互いに相手の気持ちを考え交渉できるかが、素晴らしい山の時間を過ごす鍵になりますね。

そうそう、登山中にテントを担いだ他の登山者に抜かれると焦りますが、燕岳の合戦尾根は難所はなくても北アルプス三大急坂と言われている過酷な登山ルートです。焦らずに登りましょう。また、ベテランらしいテント泊登山者は表銀座から大天井まで縦走するパターンが多いです。自分も、実際に登山中はあまりテントを担いだ登山者にあわなかったです。

最後に、インターネットで「テント場の確保」で調べると、合戦小屋でのスイカ休憩をカットしてでもテント場確保のために急いで登った、と言うブログ記事が出てきます。命に関わる登山で水分補給や休憩をカットする事は絶対にやってはいけません。

しっかりとした登山計画を立て、無理のない登山を行いましょう。

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