【レビュー】サムヤン14mmで撮影した星空や天の川の作例を紹介!

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こんにちは。

今回紹介するのは、星空や星景写真の撮影用レンズで最もコストパフォーマンスが高いレンズと言われる「サムヤン(Samyang)14mmf2.8」のレビューになります。

自分は、サムヤン14mmf2.8を2016年にα7用の星空撮影専用レンズとして購入しました。この記事では、サムヤン14mmf2.8を5年以上使用してきた感想と、撮り続けた星景写真の作例を紹介していきます。

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サムヤン 14mmは星空撮影に最適!


SAMYANG サムヤン 14mm F2.8 ED AS IF UMC(Sony Eマウント用)

今回レビューするレンズの正式名はSAMYANG(サムヤン)14mm F2.8 ED AS IF UMCです。

サムヤン14mmf2.8は、フルサイズ対応のマニュアルフォーカス(MF)レンズであり、当初はデジタル一眼レフ用に開発されました。その後、ソニーのミラーレス一眼であるEマウント用が発売されましたが、自分はソニーのEマウント用が発売される前に欲しかった為、ソニーのAマウント用を購入し、マウントアダプター(LA-EA3)を介して使ってきました。

スペックと特徴

特徴は、14mmf2.8と言う超広角な焦点距離と、やや明るめの開放F値となっており、単焦点レンズにも関わらず、2016年の夏までは新品が3万円以下と非常に安価で売られていました。

しかし、何故か自分が購入した2016年の夏以降から急に値上げがされ、現在は4万円を超える価格で売られています。いずれにせよ、星空や星景写真用に使えるフルサイズ対応の超広角レンズとしては、業界トップクラスのコストパフォーマンスを誇るレンズです。

そして最大の特徴は、星景写真で重要なサジタルコマフレアが良好に抑えられている点です。これにより、14mmと言う超広角でありながら、周辺に写り込んだ星も、比較的点として写りやすくなります。

ここで、このレンズの癖でもありデメリットでもあり、特徴も書いておきます。

サムヤン14mmf2.8は周辺減光が強い。これは特徴であり、天の川を写す時は逆に味が出て個人的にはメリットに感じます。次に、片ボケが起こりやすいと言う特徴もあります。自分は一度、この片ボケによるトラブルにより、メーカーさん(日本での仲介メーカーはケンコー)とやり取りした事があります。その辺のお話も紹介できればと思います。

Eマウント用の超広角レンズ比較

ここでは、純正と社外製を含めて、ソニーのEマウント用で発売している14mm前後の超広角レンズの比較を紹介します。



【サムヤン14mm】発売時期(2017/8/25)、価格(当時30,000円/現在38,000円 )

開放絞値:f2.8/最短撮影距離:0.28 m/最大撮影倍率:0.08倍/重量:570g

↑本記事で紹介しているレンズ。


【サムヤン14mm MK2】発売時期(2020/9/18)、価格(現在48,000〜53,000円)

開封絞値:f2.8/最短撮影距離:0.28m/最短撮影距離:0.08m倍/重量:641g(708g)

↑本記事で紹介しているレンズの後継機の位置付け。


【サムヤン14mmFE】発売時期(2017/1/20)、価格(現在70,000〜80,000円)

開放絞値:f2.8/最短撮影距離:0.2m/最大撮影倍率:0.12 倍/重量:505g

↑ミラーレス専用設計の小型軽量さとAF、解像度はやや劣るとの情報あり。


【シグマ14mmf1.8】発売時期(2018/7/20)、価格(現在170,000円)

開放絞値:f1.8/最短撮影距離:0.27m/最大撮影倍率:1:9.8 倍/重量:1230g

↑絞り開放f1.8と非常に魅力的ですが、デジタル一眼レフ専用設計でデカい高い重たい。


【シグマ14-24mmf2.8】発売時期(2019/8/23)、価格(現在135,000〜150,000円)

開放絞値:f2.8/最短撮影距離:○/最大撮影倍率0.28 m1:7.3 倍/重量:779g

↑ミラーレス専用設計であり、本格的に星景写真を撮るにはオススメ。自分の購入候補。


【ソニーSEL1224GM】発売時期(2020/8/7)、価格(現在300,000〜350,000円)

開封絞値:f2.8/最短撮影距離:0.28m/最大撮影倍率:0.14倍/重量:847g

↑ソニー純正のGMシリーズ。f12mm2.8に対する重さと大きさが素晴らしい。けど高い。


【LAOWA 15mmF2 Zero-D】発売時期(2017/9/30)、価格(現在〜110,000円)

開封絞値:f2/最短撮影距離:0.15m/最大撮影倍率:0.25倍/重量:500mg

↑フィルター径72mmで装着可能。絞り開放f2も魅力的だが、11万円出すならシグマへ?


【LAOWA 12mmF2.8 Zero-D】発売時期(2017/2/10)、価格(現在135,000円)

開封絞値:f2.8/最短撮影距離:0.18m/最大撮影倍率:0.2倍/重量:610〜650g

↑圧倒的な超広角12mmf2.8が魅力。しかし、単焦点の不便さに価格が見合わない、、、。



今回は、16-35mmf2.8や17-28f2.8などやや狭い超広角レンズは除外して書き出しました。

以上のように、価格に対するスペックを見ても、初代サムヤン14mmf2.8がいかにコストパフォーマンスに優れたレンズであるかが分かりますね。

外観

ここでは、自分の手元にあるサムヤン14mmf2.8の外観を紹介していきます。

こちらが、ソニーAマウント用のサムヤン14mmf2.8です。

ご覧の通り出目金レンズであり、サムヤンと言う印象とは予想外に質感がいいです。また、デジタル一眼レフ専用設計であり、レンズの長さが非常に短いです。これだと、デジタル一眼レフカメラ本体に装着した際の重量バランスは良好ですね。

こちらは付属のレンズキャップを装着した状態です。

レンズキャップは被せ式であり、ちゃんとロック機構がついています。

ミラーレス専用設計との違い

こちらは、サムヤン14mmf2.8をAマウントからEマウントに変換するソニー純正アダプター、LA-EA3を装着した様子です。これにより、α7シリーズに装着して使用ができます。

デジタル一眼レフ専用設計だと非常に小型なのですが、ソニーのEマウント用にミラーレス専用設計されたものは、写真のようにレンズ自体の長さが非常に長くなってしまいます。

友人が、後から発売されたEマウント用を購入していましたが、やはり根本が後付けされたような作りで違和感がありました。個人的には、自分のように純正アダプターを介して使用した方が、三脚ネジの位置も含めて使い勝手がいいと感じています(自分に言い聞かせて笑)。

SEL1635GMとの比較

せっかくなので、ソニー純正の超広角ズームレンズ、SEL1635GMと比較してみましょう。

やはりマウントアダプターをかまさないと、とても小さく見えますね。

こちらはマウントアダプター、LA-EA3を装着して比較してみた様子です。

こうしてみると、SEL1635GMより一回り小さいと言った感じですね。ただ、持った感じはサムヤンの方がとても小さく感じます。

14mmf2.8と16-35mmf2.8の組み合わせが、長年星景写真を撮り続けている自分の完璧な組み合わせであり、フルサイズ一眼カメラ二台体制での星空撮影には最高の組み合わせです。何より小型軽量なコンパクトシステムなところがいいです。

最近はこの組み合わせに、35mmf1.8や55mmf1.8を取り入れています。次に星景写真用のレンズシステムを入れ替えるとしたら、20mmf1.8の買い足しか14-24mmf2.8への入れ替えになるでしょうね。

カメラ(α7II)に装着した様子

こちらがサムヤン14mmf2.8をα7IIに装着した様子です。

ちなみに、左にあるのが当時使用していたソニーAマウントのSAL1635Z。このレンズはガラス玉のように本当に大きくて重たかったです。そのせいもあってか、サムヤン14mmf2.8にマウントアダプター(LA-EA3)を噛ませても、カメラシステム的にはコンパクトに感じます。

余談ですが、この写真は2016年10月に石垣島のホテルで撮影したものです。この年の石垣島旅行は月齢がいまいちでしたが、今思えば懐かしく、とてもいい思い出です。せっかくなので、この時の星景写真も載せておきましょう↓

α7Ⅱ+Samyang14mmf2.8 14mm f2.8 ss20 iso3200

2016年10月に、石垣島の底地ビーチで撮影した星空の写真。

この写真、右側をよく見ると片ボケしていませんね。全ての領域で、星が綺麗に点に写っているのが分ります。下で紹介しますが、2018年2月に同様のカメラシステムで撮影した作例で、右端が大きく片ボケしていました。そのお話も是非ご覧下さい。

星景写真の作例

最後に紹介するのは、サムヤン14mmf2.8で撮影した星景写真の作例です。

すでにブログで紹介してきたものから抜粋して並べていきます。

α7RⅡ+Samyang14mmf2.8 14mm f2.8 ss30 iso6400

まずはハワイ島で撮影した天の川の自撮り写真を紹介します。

14mmと言う圧倒的な広さ、そしてこの解像度。この写りがたった3万円台で手に入ると思えば、本当に最高のレンズです。この写真をみると、もはやシグマ14mmf1.8なんぞ不要とも思えます。えっ、左上がちょっと片ボケしてるって、、、?

そうそう、皆さんは本当に暗い空の下で星空を撮影した事がありますか?撮影設定をみてお分かりだと思いますが、30秒露光でiso6400まで上げても、ハワイ島の空は暗いです。そして、星はより明るく写ります。本当に、早くコロナウイルスが終息して南半球に行きたいです。

ハワイ島で最も標高の高い山、マウナケアで星空と天の川を撮影してきました。この記事では、マウナケアの上から撮影した星空と天の川の写真に加え、撮影の注意点や撮影ポイントを紹介します。

α7Ⅱ+Samyang14mmf2.8 14mm f2.8 ss20 iso3200

こちらは2018年の3月に撮影した千畳敷カールで撮影した天の川の写真です。

氷点下20度の中、真っ暗な広い千畳敷カールを一人きりで歩きました。右側の灯りがホテル千畳敷で、まさに雲上の宿と言った場所です。下界の街明かり、遠くに見える南アルプス、そして斜めに立ち昇る天の川は他では見られない絶景でした。最初に紹介したハワイ島の天の川と比較すると、日本との見え方の違いや空の暗さがより分かりますね。

この写真も14mmだからこそ迫力が出る場所であり、周辺減光も逆にいい感じに思えます。

冬季の中央アルプス千畳敷カールで星景写真を撮影しました。氷点下20℃の極寒の地でしたが、カール側に広がる見事な星空と南アルプス側に昇る夏の天の川を撮影する事ができました。α7Ⅱとα7SⅡで撮影した千畳敷カールに広がる星空をご覧下さい。

α7SⅡ+Samyang14mmf2.8 14mm f2.8 ss20 iso6400

こちらは2020年春の緊急事態宣言が解除された頃に撮影した天の川の写真。

長野の山奥の溜池で撮影した写真で、天の川が水面にリフレクションしているのが分かります。ただ、周辺減光が強いサムヤン14mmf2.8のレンズは、こう言う表現がやや苦手に感じました。この後大量の鹿に囲まれたのもいい思い出です。

こんにちは。 5月の新月の時期に、久しぶりに天の川の撮影に行って来ました。この記事では、今回撮影した天の川の写真や、撮影に至っ...

α7RⅡ+Samyang14mmf2.8 14mm f2.8 ss20 iso6400

夏の天の川ばかりなので、2019年12月に静岡県の西伊豆で撮影した冬の星空を紹介。

奇岩の向こうに沈むオリオン座を撮影した写真ですが、物凄い星の数です。冬の天の川も薄らと見え、夏の存在感のある天の川との違いが感じられます。また、14mmまで広いと、前方へのソフトフィルターは使えません。冬の星空の為、せっかくならレンズリア部にソフトフィルターを噛ませて撮影したかったですね。

千貫門の向こうが、静岡市街地の街明かりで空が非常に明るいです。中央が明るいと、周辺減光のデメリットがかなり見えてしまう一枚ですね。

静岡県の伊豆半島、西伊豆にある千貫門。この記事では、星空スポットである千貫門ビーチで撮影した写真を紹介します。

問題視される片ボケの作例

α7Ⅱ+Samyang14mmf2.8 14mm f2.8 ss20 iso4000

こちらはサムヤン14mmf2.8で問題視されている片ボケ現象の作例です。

中央付近は点像に写っている星ですが、右端をよく見ると、星が完全にボケて写っているのが確認できます。これがこのレンズの特徴である片ボケです。

この後仲介メーカーであるケンコーさんと色々やり取りしていて分かったのが、レンズは使用に伴い片ボケが生じる事があり、特にこのレンズは片ボケ変異がしやすいそうです。こうなってくると、修理にどのくらいの日数や費用がかかるか分からない為、有償交換23,000円で対応してもらう事になります。

自分が持っているサムヤン14mmf2.8は二台目の為、せっかく30,000円で購入したのに、合計53,000円費やしている事になります。これだけは本当に残念なポイントと言えます。

実は、片ボケを有償交換して一年以上経過した2019年の末に、本レンズを落下・破損させてしまいました。とは言っても、レンズフードのおかげでレンズに致命的な傷は生じず、メーカーでの光軸チェックなどで写りに異常はなく仕様範囲との事。

その為、現在も普通に使い続けています。レンズ落下・破損でメーカーに点検に出したお話、有償交換がどのように行われるかの見積もりのお話はこちら↓

星空撮影に最適なレンズ、サムヤン14mmf2.8。この記事では、こちらのレンズを所有してきた経過や写真、片ボケや修理費用のお話を紹介します。

問題視される周辺減光の作例

次に、サムヤン14mmf2.8の特徴でもあり、問題視されている周辺減光を、SEL1635GMの16mmと比較しながら紹介します。

左がSEL1635GMの16mmで撮影した天の川、右がサムヤン14mmf2.8で撮影した天の川です。どちらも絞開放で同じ条件で撮影していますが、サムヤン14mmf2.8の周辺減光がいかに強いかが確認できます。逆に、SEL1635GMの写りは非常に優秀な事も分ります。

まとめ

以上が、サムヤン14mmf2.8の外観や作例の紹介になります。

長年このレンズを使って感じた事は、やはり天の川などの星景写真に14mmと言う画角は必須な事です。自分が星景写真を撮影するのに最初に選んだレンズが、10万円以上するSEL1635Zと言うf4通しのレンズです。絞り開放の暗さに悩まされ、次に選んだのがSAL1635Zと言うソニーAマウントのレンズ。こちらはf2.8通しで写りがいい中、Aマウントの中古と言うコスパの良さで選びました。逆光耐性が弱く重たい中、そこそこいい写りをしてくれました。

そんな中でたった3万円で購入したサムヤン14mmf2.8。このレンズは、14mmと言う圧倒的な広さの世界を自分に教えてくれました。この14mmと言う画角の広さを知れた事が、サムヤン14mmf2.8を買って一番良かった点かもしれません。

サムヤン14mmf2.8は、片ボケや周辺減光にムラがあルものの、写りは本当にいいレンズです。これから星景写真を始めたい、でもお金をかけたくないと言う方には非常にオススメなレンズはないでしょうか。

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