こんにちは。
コロナウイルスの影響で1月から計画した、2月の台湾旅行、4月の京都旅行、4月のオーストラリア(ウルル)旅行、全てが中止になりイライラしているブログ主です。今年はさらに、秋のドイツ旅行、冬のハワイ(オアフ島)写真撮影旅行も立てていたのですが、このままでは海外どころか国内どころか都内ですら、いつになったらできるか分からない状況です。
4月7日の緊急事態宣言によりプライベートでは外出禁止ですが、相変わらず仕事は普通にあり明日も出勤です。いずれにせよ、生命の活力でもある写真撮影が早く再開できるよう、終息する事を切に願います。前置きはこれくらいにしましょう。
今回紹介するのは、写真撮影で使える「ソフトフィルター」のお話になります。
星空、特に星景写真を長年撮影して来た経験から、おすすめのソフトフィルターを見つけたので作例を交えて紹介していきますよ!
目次
星景写真の撮影にソフトフィルター
ソフトフィルターの効果とは?
ソフトフィルターとは文字通り、撮影した写真をソフトに仕上げる為のフィルターです。
さらに詳しく言うと、得られる写真がふわっとしたイメージに仕上げられます。つまり、子供や女性などのポートレート写真や、鮮やかな花の写真を撮ると素敵な表現ができます。
そしてもう一つの使い方が、本題である星空の撮影です。ソフトフィルターを使用する事で、星の光がにじみ強調され、使用前とは全く印象の違う写真に仕上がるのです。更に、星がにじむ事により、地球の自転により生じる星の流れが写真に反映しにくくなり、シャッタースピード(露光時間)を通常より長く設定して撮影する事ができます。
個人的には、夏の星空や天の川ではソフトフィルターを使用しない事が多いですが、オリオン座等の冬の星空や天の川では、ソフトフィルターは絶対に使う派です。
ソフトフィルターの種類
そんなソフトフィルターですが、商品によってソフト効果の出方が大きく異なり、使う環境によっては星自体の表情が変わったり、前景の解像度が落ちたり、星以外の光が変形したりと、デメリットになる場合もあります。この記事では、商品ごとのソフトフィルターの効果を写真で紹介しながら、デメリットも紹介していきます!
まずは、種類別にソフトフィルターを紹介していきます。
ケンコー(Kenko)プロソフトン クリア(W)
ケンコーから当時はなかった素晴らしいソフトフィルターが出ました。それが、ケンコー(Kenko)プロソフトン クリア(W)です。
星の光以外が増強してしまうプロソフトンAと比べ、解像度を保ちつつも星の光は強調してくれるよう、ソフト効果を改良(半分の効果に軽減)してあります。星空撮影でねじ込み式のソフトフィルターを探している方は、今選ぶならこちらの製品が良いです。
ただ、ソフト効果自体はLEEのNo1程度と言う評価もあるので、冬の星座を強調して撮りたい場合は、少し物足りないかもしれませんね。
流行りのブラックミストフィルターと、こちらのプロソフトンクリアで星景写真の比較を行った方の作例を見た事がありますが、この商品は本当に前景の解像度を保ちつつ、星の光を強調してくれていました。と言う事で、自分は2021年11月に82mm径を購入しました。
ケンコー(Kenko)プロソフトン[A](W)
Kenko カメラ用フィルター PRO1D プロソフトン [A] (W)
自分が最初に購入したソフトフィルターが、ケンコー(Kenko)プロソフトン[A]です。
円形フィルターの為、丈夫で装着等の扱いが容易に行えます。価格はフィルター径77mmで4000円を切る為、比較的手が出しやすいですが、自分はSAL1635Z(77mm)からSEL1635GM(82mm)に買い換えた為、フィルターの買い足しでえらい高くつきました。現在手元に二枚あるので、77mmは手放そうかな…。
効果に関してですが、同社のプロソフトン[B]より控えめであり星空に向くと書かれていたのですが、個人的にはかなり強いと感じます。その為、18mmよりワイドな環境だと周辺の星像が変形して大変な事になりますし、前景に明るい光があるとこれまた絵になりません。これがこちらの商品のデメリットになりますね。その為、冬の星座と暗い前景や、星野撮影で威力を発揮するのではと思います。
ケンコー(Kenko)ハーフプロソフトン(A)
二つ目に紹介するのが、ケンコーのハーフプロソフトン(A)です。
特徴は角形フィルターの片側半分の面積にソフト効果が施されいる事です。つまり、星景写真で前景になる下半分にはソフト効果を出さず、星空になる上半分だけにソフト効果を出す事ができます。星景写真を専門に撮るカメラマンであれば、持っていて損のない商品と言えます。数年前の記事で「KANI」が出すのでいつか買います!と書きましたが、結局ケンコーさんから先に出しましたね。
デメリットは星野写真には使えない事、ソフト効果が強い事、二万円と言うあまりに高い価格と言う事です。その為、自分は使用頻度を考え購入寸前で踏みとどまりました。
その時に見つけた最高のソフトフィルターがこちらです↓
LEE 角形ポリエステルレンズフィルター
LEE 角型ポリエステルレンズフィルター P-4 ソフトセット 100X100mm 5枚セット
こちらがまさに自分が追い求めていた商品、LEE 角形ポリエステルレンズフィルターです。
最大の特徴は、No1からNo5までソフト効果の程度が五段階に分かれている事です。つまり、効果の弱いものを選ぶ事で、前景の光源変形や解像度低下を落とさずに星空にソフト効果をかける事ができます。また、効果の大きいものを選ぶ事で、星野写真や冬の星座を強調させる事ができます。そして、ポリエステル素材の為、カットしてレンズリア部に挿入する事ができ、一枚のフィルターで上手く使えばレンズ四本分(劣化交換用にもなる)に使用可能です。一枚あたり3,000~4000円で変える事を考えると、上で紹介した角形フィルターよりかなりお得です。また、紹介した商品リンクは五枚セットになっており、一万円ちょいで買えるため、物凄いお得です。ただ、自分はNo2しか使わないと判断したので、バラ売りを買いました↓
LEE 角型ポリエステルレンズフィルター SP-32 ソフト描写用
こちらが自分が購入した単品で売っているLEEの角形ポリエステルフィルターです。リンクを開くと、Noを選択できるのですが、星景写真に適しているのはNo2だそうです。デメリットとしては、ポリエステルの為劣化が速いと言う事。レンズリア部に装着してしまえば劣化は抑えられると思いますが、自分はカットせずにSEL1635GMの前面に翳しながら使用しました。出目金レンズの場合、レンズリアに装着するしかなさそうです。
ソフトフィルター別 星空作例
ここでは、ソフトフィルターを使用し星空(星景写真)を撮影した作例を紹介します。
ソフトフィルターなし
こちらがソフトフィルターなしで撮影した星景写真の作例です。夏の天の川の左下にある明るい星(木星)とベンチに注目しましょう。
リアフィルター LEE No1
こちらは、ソフトフィルター(リアフィルター)のLEE No1とSIGMA 14-24mmf2.8 DG DNで撮影した冬の星空写真です。
2020年にLEE No2を購入し色々撮影し、2021年にLEE No1を購入した形になります。ソフト効果が世の中に売られているソフトフィルターの中では最も小さい商品ですが、20mmの画角でオリオンを撮影するとこのように写ります。個人的には十分ですね。
ちなみに、夏の天の川を撮影するとこうなります↓
こちらが、LEE No1とSIGMA 14-24mmf2.8 DG DNで撮影した夏の天の川です。
どうでしょうか?やはり、オリオンの方が華やかと言うか、豪華と言うか、女性らしさがありますが、夏の印象強い天の川は、ソフトフィルターがない方がいい気がします。
次に、LEE No1とSIGMA 14-24mmf2.8 DG DNで撮影したおうし座流星群の流れ星(火球)を紹介します↓
11月の晩秋の頃、栃木県にある極寒の高原地帯で奇跡的に撮影した写真です。
火球などの流れ星を強調して撮りたい場合、ソフト効果は大きいものを使用していた方が良さそうです。個人的には、この時にプロソフトン(A)とか使っていたら凄い絵が撮れたんだろうなーと想像しています。
リアフィルター LEE No2
こちらがLEEのNo2で撮影した写真です。ベンチの解像度は保たれており、さそり座などの明るい星には綺麗にソフト効果が出ています。個人的にはこの写りは非常に好みです。
先で、夏の天の川はソフトフィルターなしが好みと書きましたが、24mm以上に寄って撮影する場合、使用するとあっと言う写真が撮れます。
LEE No2+赤道儀(ポラリエ)で追尾撮影した写真で比較
2021年3月追記の内容になります。
LEE No2のソフトフィルターを使い、α7c+SEL55F18Z+ポータブル赤道儀(ポラリエ)で、夏の天の川を追尾撮影してみました。55mmで25秒と言う長時間露光でありながら、迫力のある天の川が点像で写せました。
作例として、ソフトフィルター LEE No2の有無を比較できるよう載せてみたので、是非参考にしてみてください。ポラリエを使用してみた天の川の記事はこちら↓
ケンコー(Kenko)プロソフトン[A](W)
こちらは昔から持っていたケンコーのプロソフトン(A)を使用した作例です。上の二枚とは構図と現像が微妙に違っていますが、ソフト効果の違いが確認できると思います。星の効果が強いのと、前景の解像度が大きく低下しているのが分かります。
ケンコーのプロソフトン(A)で流れ星を撮影した写真になります。
こちらの商品はソフト効果が大きい為、小さな流れ星が入るだけでもあっと言う写真に仕上がります。逆に漁船など船の明かりは変形・増強して大変な事になります。
この時、灯台方面を車のライトが照らしていなければ、いい写真に仕上がったんですが。
ケンコー(Kenko)プロソフトン クリア(W)
2021年11月、おうし座流星群の火球を撮る為、SEL1635GM用に82mmを購入しました。
しかし、急遽写真撮影より家族の用事を優先する事になり、最高条件の星景写真撮影を中止。今後持ち出し、作例が集まり次第ここで紹介します。
その後、、、。レナード彗星を撮りに行った際に、ケンコー(Kenko)プロソフトン クリア(W)を持って行きました。
今回は星景写真ではなく、天体写真(星野写真)寄りになりますが、タムロンの70-180mmに装着し、ポータブル赤道儀 ポラリエに載せて追尾撮影したのでご覧ください。
α7III+Tamron E 70-180mm F2.8 A056+プロソフトンクリア ポータブル赤道儀 ポラリエ追尾 70mm f2.8 ss20 iso2000
オリオン座を70mmで撮影した一枚。
プロソフトンクリアを使用する事で、プロソフトンAのような派手な強調は全く感じません。また、明るい星は色と光の量が強調されれ、より素晴らしい表現に仕上がっています。
α7III+Tamron E 70-180mm F2.8 A056+プロソフトンクリア ポータブル赤道儀 ポラリエ追尾 180mm f2.8 ss20 iso2000
思い切って180mmまでズームし、20秒の露光で撮影してみました。
さすがのポータブル赤道儀 ポラリエ。180mmで撮影しても全くブレませんね。そしてオリオンのベルトと大星雲が絶妙な光を放っています。これは本当に感動しました。
α7III+Tamron E 70-180mm F2.8 A056+プロソフトンクリア ポータブル赤道儀 ポラリエ追尾 180mm f2.8 ss20 iso2000
こちらはオリオンの右肩にあるペテルギウスを撮影した写真です。
ペテルギウスは赤色に強調されますが、右下にある恒星はしっかり青色を放っています。天文学には全く詳しくないですが、これだけ星の色が出ると面白いですね。
肝心の星景写真ですが、どうしてもSEL1635GMとSIGMA14-24mmf2.8 DG DNでは後者を持ち出してしまい、広角レンズで撮る出番ができません。次回こそ作例を撮ってきます。
まとめ
今回は、星空撮影(星景写真)に使えるソフトフィルターを紹介しました。
各社からさまざまなソフトフィルターが販売されていますが、使ってみるとそれぞれにメリットとデメリットがあり、これ一枚で全てが済むと言うものはありませんでした。
必要に応じて使い分ける事で、撮影の幅を広げる事ができますね。
最後に、ソフトフィルターの効果をわかりやすく比較してくれているブログを紹介します↓
コメント
こんにちは。
最近ソフトンの効果が強すぎると感じ
LEEの角型フィルタが気になっていたので、まさにドンピシャな内容の投稿、興味深く読ませて頂きました。
こうして比較するとLEEのNo.2フィルタは、星を適度に目立たせつつ前景の解像も維持されていることがよく分かりますね。
求めていた効果に最も近い仕上がりなので、私も購入して試してみたいと思います(*^^*)
それにしてもコロナには予定を滅茶苦茶にされますね…💧
ここまで感染が広まってしまった今、自粛要請では無く外出規制してでも早く終息させた方が良い気がします(^_^;)
石原さんへ。
コメントありがとうございます。LEEの角形フィルターを知ったのは比較的最近なのですが、驚いたのは前景の解像度が落ちにくい事です。
まだ耐久性までは分かりませんが、一枚あたりの出費は安いですし、表現の幅を広げるにはおすすめですよ。
是非検討してみてくださいね。
コロナウイルス、本当にはやく終息してほしいです。